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皆さんは、紅茶を淹れる際にお湯の温度に気を使っていますか?
「お湯の温度は関係ないのでは」と感じる方も少なくありませんが、お湯の温度によって茶葉の抽出具合が決まるといっても過言ではありません。
今回の記事では、美味しい紅茶を淹れるときに意識したい「お湯の温度」「淹れるコツ」「飲む際の適正温度」「紅茶におすすめのお水」などを詳しくご紹介します。
お湯の温度にこだわってみると、今まで使用していた茶葉の新たな魅力に気がつくかもしれません。
Contents
紅茶と温度の深い関係性
ここでは、紅茶と温度の深い関係性について解説しています。
「なぜ温度にこだわる必要があるの?」「温度が違うとどうなるの?」と疑問に感じている方は、ぜひ参考にしてください。
紅茶の風味はお湯の温度に左右される
紅茶は、使用するお湯の温度(正確にいえば水質も)によって風味に違いが出る飲み物です。
乾燥した茶葉にお湯を注ぐことで、茶葉の成分が水中に抽出され、紅茶特有の味や香りを楽しめます。
紅茶の成分をしっかりと抽出するためには、必ず「沸騰した熱湯」を使うのがポイント!
ぬるいお湯では紅茶の成分を効率てきに抽出できず、味気ない仕上がりになってしまいます。
また、紅茶に含まれるタンニンは水温が95度以上になると溶け始めます。
タンニンは紅茶の風味を左右する大切な成分で、渋味のもととなります。適切な温度で抽出することで、タンニンのバランスを整え、紅茶本来の味わいを引き出すことができるのです。
お湯は100度がベスト!
紅茶に使用するお湯は、ボコボコと泡が出ているくらいの熱湯が最適です。
温度でいうなら90〜100度が目安。できるだけ沸騰直後のお湯を使用するように心がけましょう。
ただし、紅茶には水出し用の茶葉も多く発売されています。水出し用の茶葉は水に茶葉を浸しておくだけで、2〜3時間かけてゆっくりと成分が抽出されていきます。
水出し用の紅茶は渋みが抑えられてまろやかな口あたりになるため、好みで使い分けてみるのも面白そうですよね。
さらに、紅茶の温度は香りを引き立てる大切な要素でもあります。熱湯を使うことで、茶葉から豊かな香り成分が放出され、その香りが味わいを深めます。
どのように変わるか見てみましょう。
水色と香りはお湯の温度で変わる?
水色 | お湯の温度が上がると、紅茶の色素がより多く抽出されます。その結果、紅茶の色は濃くなります。一方、お湯の温度が低いと、色素の抽出が抑えられ、結果として色が薄くなることが多いです。 |
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香り | テアニンというアミノ酸は香りに大きな影響を与えます。温度が高いとテアニンが多く抽出され、紅茶の香りが強くなります。一方、低温ではテアニンの抽出が少なくなり、香りが薄くなる傾向があります。 |
※茶葉の種類によっても変わります。
温度と同じくらい「水質」も大切
紅茶の成分をしっかりと抽出するためには沸騰したお湯を使用するのがポイントですが、温度と同じくらい大切なのは「水質」です。
美味しい紅茶を淹れるためには「空気をたっぷりと含んだ水」「硬水よりも軟水」などが適しているといわれています。
空気をたっぷりと含んだ水を使用すると、紅茶の成分を効率的に抽出できる「ジャンピング現象」が起こりやすく、ミネラル成分のバランスが取れた軟水を使用することで「味わいや香りが引き立つ仕上がり」になります。
紅茶を入れる際は「水道水」がおすすめ
日本の水道水はミネラルバランスが整っている「軟水」というだけではなく、注ぎ方によってはたっぷりと空気を含ませられるため、紅茶作りに最もおすすめできます。
よく、美味しい紅茶を淹れるためには「ミネラルウォーターや真水を使用したほうがいいのでは?」と感じる方もいます。
しかし、水中のミネラルバランスが全くない真水を使用すると紅茶の成分と反応が怒らず、水色が濁りやすかったり風味がぼんやりとしてしまったりすることも。
ミネラル分が高いミネラルウォーターでは、紅茶の成分とミネラル分が反応しすぎてしまう結果、水色が黒ずんだり香りが弱くなったりしてしまいます。
ミネラル分が高い水や体にいい水を使えば美味しい紅茶に仕上がるわけではなく、紅茶は「茶葉の成分と水中のミネラル分が反応すること」で、旨味が引き出される飲み物です。
水道水は適度なミネラル分を含むため紅茶成分と反応しやすく、美味しい紅茶を淹れる際に欠かせない水だということを、ぜひ覚えておいてください。
紅茶を飲むのは「60〜70度」で!
紅茶の成分をしっかりと抽出するためには、100度の沸騰したお湯を使用するのがポイントでした。
しかし、それはあくまでも「美味しい紅茶の淹れ方」であって、飲む際の適正温度ではありません。
実は、紅茶を飲むのに適した温度は「60〜70度程度」と考えられています。この温度で飲むのが最も紅茶の風味を感じやすく、美味しく飲めるそう。
熱々の紅茶が好きな方も少なくありませんが、あまりに熱すぎると飲むのにも一苦労。紅茶特有の風味よりも口内に感じる熱量の方に意識が向いてしまいがちです。
一方で、60〜70度程度の紅茶なら火傷の心配はまずなく、安心して紅茶の風味を堪能できる余裕が生まれます。
また、基本的にリーフティーは、ティーポットの中で3〜5分程度蒸らすことがほとんど。時間をかけて蒸らすことで茶葉がゆっくりと開き、紅茶の成分がしっかりと水中に抽出されます。
この間に紅茶の温度は下がっていき、飲む頃には70度程度の適温に。それでもまだ熱いようなら、茶葉によっては10分程度蒸らしてもいいかもしれませんね。
紅茶の温度をキープするためのコツ
紅茶を淹れる際は「100度の沸騰したお湯」を使用し、5分程度かけてしっかりと蒸らしたら、「60〜70度」で頂きましょう。
しかし、冬場の寒い季節やクーラーなどの環境によっては、淹れた紅茶の温度がぐんぐん下がってしまうこともあります。
そんなときは、ぜひ「ティーポットやティーカップを事前に温めておく」というテクニックを試してみてください。
熱湯をティーポットやティーカップに注ぎ、10秒程度待ちます。すると冷たかった器が温まり、次に入れるお湯や紅茶の温度が下がってしまうのを防いでくれます。
この一手間があるかないかで、紅茶の温度や紅茶の仕上がりにぐっと差が出ます。特に寒い時期は、器に熱湯を注いで事前に温めておくクセをつけるといいでしょう。
美味しい紅茶を淹れるための「ティーポット選び」とは
美味しい紅茶を淹れるためには、ティーポット選びも大切です。ここでは、紅茶を美味しく淹れるための「ティーポットの材質」や「形」などを紹介します。
ティーポットの材質
ティーポットには「ガラス」「陶器」「銅」など様々な材質があり、紅茶の味にも変化を与えるといわれています。
材質 | 特徴 |
---|---|
ガラス | ポットの内側がよく見えるため、好みの濃さに調節しやすくデザインもおしゃれです。リーズナブルな価格帯のものが多く、挑戦しやすいでしょう。一方で、他の材質に比べて保温性能に欠けるため、事前にティーポットやカップを温めておくという一手間が必要です。 |
陶器 | 高級感の高い陶器製ティーポット。老舗高級紅茶ブランドからも多く販売されて、保温性が抜群です。時間が経っても温かい紅茶を楽しめるでしょう。ただし、中身が見えないため仕上がりが濃すぎてしまったり薄すぎてしまったりする場合もあります。 |
銅 | 銅は非常に熱伝導がよく、紅茶の国イギリスでは「銅製のティーポットは紅茶を淹れるため」だと考える人も少なくありません。価格は高いものの使い込むうちに味わい深く変色し、おしゃれな雰囲気を醸し出します。 |
鉄 | 鉄製のポットで沸かしたお湯を飲むと「鉄分が吸収できる」といわれていますが、鉄分が入ったお湯で紅茶を淹れると紅茶のタンニンと鉄が結合します。すると紅茶の色が黒ずんでしまうため、紅茶にはあまりおすすめ できない材質です。 |
ガラス製のティーポットを使用する際は、保温性をカバーするために「ティーウォーマー」の使用がおすすめ です。
ティーウォーマーについて詳しく知りたい人は、以下の記事もチェックしてみてください。
ティーポットの形
ティーポットの形によって茶葉がジャンピングしやすくなったり、逆にしにくくなったりする場合もあります。
こだわりの味わいを追求したい人は、ぜひティーポットの形にも注目してみましょう。
形 | 特徴 |
---|---|
丸型 | 丸型のティーポットは、美味しい紅茶作りに欠かせない「ジャンピング」に最も適した形状です。丸型にすることでポット内で茶葉が動きやすくなり、紅茶本来の味わいや香りがしっかりと抽出されます。 |
円柱型 | 円柱型はジャンピングに不向きですが、カフェなど飲食店で利用しやすい形状です。おしゃれなデザインも多くスリムに収納できるため商用向けといえるでしょう。 |
四角型 | 四角型のティーポットもジャンピングには不向きです。しかし、丸型ティーポットにはない洗練された雰囲気とスタイリッシュな見た目で、ビジュアルを重視したい人におすすめです。 |
美味しい紅茶を淹れるためには、やはり「丸型」のティーポットがおすすめです。
ポット内で茶葉がしっかりとジャンピングするように、茶こしがついていないものを選ぶようにしましょう。
美味しい紅茶を淹れるには「茶葉の量り方」が大切
美味しい紅茶を淹れるためには、水量に合わせた茶葉の計量が欠かせません。一般的に「紅茶1杯(湯量300ml)に対して茶葉3〜4g」といわれています。
しかし、量り方がよくわからないという人も少なくないでしょう。そこでここでは、茶葉を簡単に量る方法や便利な道具を紹介します。
ティーメジャーを使用する
紅茶の茶葉を量る際に使われる「ティーメジャー」を利用することで、ひとすくいで1杯分の茶葉を簡単に量れます。
ただし、ティーメジャーの種類やメーカーによっても微差が生じるため、紅茶を淹れながらベストな分量を考えることも大切です。
ティーメジャーについてさらに詳しく知りたい人は、以下の記事もチェックしてください。
デジタルスケールを使用する
スケールとは食材の重さを測る時に使う”はかり”です。
最近のスケールは、0.1g単位で測定可能なものもあります。
スケールにティーポットを乗せて設定を0にしてから、茶葉を入れるとメジャーやスプーンを使用しなくても正確な量を入れられます。
メジャーやスプーンでは使用する茶葉の種類によって1杯あたりのgが変わってしまいますが、スケールを使用すればそのような心配もありません。
美味しい紅茶の淹れ方まとめ
美味しい紅茶を淹れるためのポイントをまとめます。ぜひ参考にしてください。
蒸らす時間ですが、各紅茶メーカー指定の時間を目安にしましょう。ほとんどの場合、茶葉パッケージの裏側などに蒸らし時間の記載があります。
ティーバッグ紅茶の美味しい淹れかた
リーフティーを淹れる際は蓋つきのティーポットを使用される方がほとんどですが、ティーバッグ紅茶の場合はどうでしょうか?
ティーバッグの場合は「カップにティーバッグをスプーンで押しつぶす」「ティーバッグを揺らして短時間で抽出する」という淹れかたをする方も少なくありませんが、それでは苦味やえぐみの原因になってしまいます。
基本的に、ティーバッグタイプは短時間でしっかりと成分を抽出できるようにと、細かな茶葉が使用されていたりCTC製法のものが使用されたりする傾向がありますが、淹れかたによっては雑味が出てしまうことも。
カップの上にお皿をのせて蒸らすのがおすすめ!
そこでおすすめなのが、カップの上にお皿などで蓋をして蒸らす方法!
この方法では紅茶の香りを逃がさずしっかりと蒸らせ、ティーバッグ紅茶にありがちな「香りの逃げ」「苦味やエグ味などの雑味」の予防にもつながります。
また、カップに蓋をすることで紅茶の温度が急激に低下してしまうのも防げるため、寒い季節にもおすすめの蒸らしかたです。
各メーカー推奨の蒸らし時間の後はティーバッグを取り出して再び蓋をし、飲みごろ(60〜70度程度)になるまで待ってみましょう。
ティーバッグでの紅茶の淹れ方まとめ
ティーバッグで美味しい紅茶を淹れるためには、どのようなポイントを押さえておけばいいのでしょうか?まとめてみましょう。
- ティーポットとティーカップに熱湯を注ぎ、温めておく
- 小鍋に水道水を注ぎ、沸騰させる
- ティーカップのお湯を捨て、ティーバッグを入れる
- ティーカップの上に皿を被せ、数分蒸らす
- ティーバッグを取り出して完成
基本的にはリーフティーを淹れる手順と同じですが、蓋をするティーポットとは異なり、ティーカップは蒸気が逃げてしまいやすいのがデメリットです。
その点を「お皿で蓋をする」ことでカバーし、より効率的な紅茶の抽出が可能になります。
淹れるときは100度・飲むときは70度!紅茶の温度を意識しよう
お湯の温度によって紅茶の仕上がりに大きな差が生まれ、飲む際の温度によって紅茶の美味しさに差が生まれます。
私はいつも沸騰食後の熱湯を使用するのですが、急いでいたときに「沸騰前のぬるま湯」を使用した経験があります。
そのときの紅茶は水色がとても薄く、味わいも香りもあまり感じられないほど弱々しい淹れ上がりになったのを今でもよく思い出します。
茶葉の魅力を十分に引き出し、紅茶本来の風味を堪能したいという方は、ぜひお湯の温度や飲む際の温度を意識してみてください。
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inkteaはネパールから直接茶葉を輸入している紅茶専門店です。
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