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リラックス効果が高く、ヨーロッパ諸国では現在も民間治療薬として活用されるカモミール。
ノンカフェインなので妊娠中も安心して飲めると思いがちですが、専門家によっては「妊娠中は控えたほうがいい」と主張するケースもあるようです。
いろいろ調べてみると、サイトごとに「飲んでも大丈夫!」「飲まないほうがいい!」と意見が異なるので、どちらを信じていいのかわからなくなってしまいますよね。
そこで今回は、妊娠中にカモミールティーを飲んでも大丈夫か、飲めない場合はなぜなのか、詳しく解説していきたいと思います。
Contents
カモミールとはどんなハーブなのか
ここでは、カモミールティーについての基本的な特徴や効果をご紹介します。
カモミールの効果
カモミールティーは、数あるハーブティーの中でも代表的なハーブティーとして知られています。
リラックス効果が高くて安眠作用も期待できることから、入眠前のドリンクとしても人気がありますよね。
安眠効果以外にも「粘膜や皮膚を健やかに保つ」「消化器官系の不調緩和」「免疫力強化」「アレルギー症状の緩和」など、幅広い効果が期待できる作用の優しいハーブです。
また、カモミールは「母の薬草」「貴婦人の花」などという別名があることからもわかるように、女性特有の不調に働きかけてくれるハーブといわれています。
女性特有の不調に効果が期待できてノンカフェイン!一見、妊娠中でも飲みやすいハーブティーに見えますが、実は「子宮収縮につながる可能性がある」と指摘する専門家もいます。
カモミールティーの効果効能について、こちらの記事でも解説しています。
カモミールは2種類
カモミールには「カモミールジャーマン」と「カモミールローマン」の2種類があり、それぞれに効果や特徴に違いがあります。
カモミールジャーマン
甘くスパイシーな香りでハーブティーに利用されることが多く、古代では病気の治療に使用されていたこともあるメディカル要素の強いハーブ。
女性ホルモン様作用があるため、妊娠初期は利用を控えるように指摘されていることが多いです。
その一方で、カモミールジャーマンはストレス緩和や睡眠の質を改善する効果も持つため、リラクゼーション用途でよく使われます。
ただしその効果を最大限に引き出すには、適切な量を適切な方法で摂取するようにしましょう。
ジャーマンカモミールについて詳しく知りたい人は、こちらの記事もおすすめです。
カモミールローマン
甘酸っぱい香りが特徴的で、リラックス効果に優れ安眠効果も期待されているハーブ。
体に働きかける作用が穏やかなのでどの年代でも取り入れやすく、ハーブ初心者にも人気が高いです。
ハーブティーよりもアロマオイルや化粧品に利用されることが多いことが特徴。
このように、カモミールといっても種類によって微妙な違いがあります。
特にカモミールジャーマンのほうが高いメディカル作用を持ち、体に与える影響が大きいと考えられています。
カモミールティーの効果効能
ここでは、カモミールティーの効果効能を紹介します。「カモミールティーを飲むことでどのような効果が期待できるの?」と感じる人は、ぜひ参考にしてください。
安眠作用
カモミールに含まれる成分には「高ぶった気持ちを落ち着かせる」「鎮静作用」などがあることから、深いリラックス作用があります。
就寝前にカモミールティーを飲むことで神経が落ち着くと自然な眠気を誘発させやすく、安眠につながりやすくなるでしょう。
消化器官系の症状緩和
カモミールには「アズレン誘導体」という物質が含有されています。この物質は、胃の粘膜を保護したり修復したりしてくれる作用があり、消化器系を正常に整えてくれます。
特に、ストレスから来る胃腸の不調にはぴったりのハーブといえるでしょう。
カモミールには消炎作用や筋肉をリラックスさせる効果も報告されており、これが胃痛を緩和するのに役立つ可能性があります。
痛みの緩和
カモミールには体の炎症を落ち着かせる働きや体を温める働きがあるため、生理痛や腰痛などの緩和効果も期待されています。
カモミールには抗炎症作用があり、頭痛にも効果があると言われています。定期的にカモミールティーを飲むことで、体の不調や痛みの軽減に役立つかもしれません。
美肌効果
カモミールの「抗炎症作用」「粘膜保護作用」などは、肌荒れなどの対策としても活用できます。
ハーブティーを飲むだけではなく、化粧水などのスキンケア製品にに配合されていることも多いカモミール。美肌効果も大いに期待できるでしょう。
また、カモミールには抗酸化成分も含まれ、肌の老化やダメージを予防します。特に敏感肌の人には、肌の赤みや炎症を鎮静させる効果が期待されるため、多くのスキンケア製品に利用されています。常にしっとりとした肌を目指す方にはおすすめです。
ストレス緩和にも
カモミールティーにはリラックス効果が期待されるので、妊娠中のストレス緩和にも役立つでしょう。
カモミールティーに含まれる「アピゲニン」という成分には不安な気持ちを鎮める効果が期待でき、ジスピロエーテルという成分には眠くなる作用が期待できると言われています。まさにリラックスタイムにぴったりなハーブティーですね。
カモミールティーは妊娠中に飲める?飲めない?
カモミールの穏やかな香りはリラックス効果が高く、寝付けない夜や気分が沈んでしまいやすいときにも、そっと寄り添ってくれるように包み込んでくれるイメージです。
そんなカモミールですが、カモミールティーに使用されているカモミールの種類によって、妊娠中に飲めるか飲めないかが決まると考えられます。
先ほどご紹介した「カモミールジャーマン」はメディカル要素が強く、女性ホルモン様作用があったり子宮収縮につながったりする可能性があるハーブです。
一方で「カモミールローマン」は作用の穏やかさに定評があるハーブなので、妊娠中に控えるような指摘もほとんどされていません。
「では、カモミールローマンティーなら飲めるのでは!」と期待してしまいますが、実は市販のカモミールティーのなかには、ジャーマンかローマンか、使用原料についての記載がない商品も目立ちます。
今までカモミールティーを妊娠中に飲んでも、流産などの問題につながった記録はありませんし、実際に妊娠中でもカモミールティーを飲んでいる女性もいます。
一方で、カモミールティーを飲むことで子宮収縮につながる可能性があるといわれていることは、妊娠中の女性に大きな不安を与えてしまうことも事実です。
妊娠中にカモミールティーを飲んでしまったら?
カモミールティーには子宮を収縮させてしまう作用があるといわれていますが、もしも知らずにカモミールティーを飲んでしまった場合はどうすればいいのでしょうか。
「カモミールティーを飲むと、子宮が収縮してしまい流産につながる」という恐ろしいイメージを持つ人も少なくないかもしれませんが、基本的にカモミールティーは安心して使えるハーブの代表格です。
薬用植物の生産や保全だけではなく、品質や安全性・適切な使用についての研究や調査を行なっている「トラディショナルメディシン社研究開発管理者」の著書「メディカルハーブ安全性ハンドブック」によると、カモミールジャーマンは安全性や相互作用が安定しているハーブだと記されています。
通常の使用の範囲内であれば安心して使用できるハーブと位置付けられていますが、妊娠中や授乳中の使用に関しては「問題は確認されていないものの、最終的な安全性は確立されていない」状況だそうです。
さまざまなサイトを見てみると、あたかも「カモミールティーを飲むと子宮収縮につながる」ことを連想させるようなものもありますが、数杯飲んだ程度で流産につながる可能性は低いといえるのではないでしょうか。
とはいえ、カモミールティーを飲むことで流産が心配になったりストレスが溜まったりしてしまう場合は、お腹の中の赤ちゃんにもよくありません。
他のお茶やハーブティーに変えるなど、カモミールティー以外で好きになれる飲み物を探してみてください。
担当医に相談してみるのもアリ!
カモミールティーは安全性の高いハーブですが、そのメディカル要素の強さから「子宮収縮につながる」「妊娠中は控えるべき」といわれることもあります。
カモミールティーを飲んで陣痛が始まったり流産につながったりという医学的証拠はありませんが、お腹の中の赤ちゃんに少しでも悪い影響を及ぼすのであれば摂取も控えたいですよね。
いろいろなサイトを参考にしてみるのもいいですが、できればかかりつけの産婦人科などで担当医に相談してみることをおすすめします。
産婦人科の医師はハーブや漢方分野に精通している人も多く、妊娠中のハーブティー飲用についてアドバイスをもらえるかもしれません。
キク科アレルギーの人は要注意!
カモミールはキク科に属する植物であることから、キク科のアレルギーがある人は注意が必要です。
キク科に多いブタクサ属・ヨモギ属・クワ科のカナムグラなどは、主に8〜10月に飛散します。
キク科アレルギーの有無が分からなくても「秋になるとくしゃみや鼻水などの症状が出る」という人は、もしかするとキク科アレルギーがあるかもしれません。
気になる場合は、医療機関でアレルギー精密検査をしてもらうのもいいでしょう。
カモミールティーの副作用は?
先ほどキク科アレルギーの人は注意というお話をしました。
カモミールティーは副作用はほとんどないと言われていますが、下記のような注意点もあることを知っておきましょう。
血液凝固抑制作用
カモミールには、血液を薄くする効果があるため、血液凝固を抑制する可能性も。
そのため、血液凝固抑制剤を使用している人、または手術を予定している人は、カモミールの使用について医師に相談する必要があります。
妊娠中のカモミールティーの適量と飲み方
カモミールティーは、そのリラックス効果と睡眠を促進する効果で知られていますが、妊娠中の摂取についてはいくつかの注意点があります。
以下に、妊娠中のカモミールティーの適量と飲み方についてご紹介します。
妊娠中に飲むカモミールティーの適量は?
カモミールティーは、日常的に飲用するとリラックス効果がありますが、妊娠中は過度な摂取が問題となることがあります。
一日に1〜2杯を目安にし、体調に合わせて調整してください。
すべてのハーブティーが全ての妊婦さんに適しているわけではないため、特にカモミールティーを含むハーブティーの摂取に際しては、医師や専門家のアドバイスを参考にすることが重要です。
また、体質や妊娠期間によっては、カモミールティーを避けることも推奨される場合があります。
妊娠中のカモミールティーの飲み方
カモミールティーは、ティーバッグを熱湯に浸すだけで簡単に淹れることができます。
ティーバッグをカップに入れて、お湯を注ぎます。ティーバッグを5分ほど浸けてから取り出すと、成分が十分に抽出されます。
味付けは必要に応じて調整できますが、砂糖やハニーは少量に留め、カロリー摂取を控えることも重要です。
カモミールティーの基本的な淹れ方
【材料】
- カモミールティー:ティーバッグ1包
- 水:約250ml
【作り方】
- 水を沸騰させます。一方、カモミールティーのティーバッグをティーポットやマグカップに入れます。
- 沸騰したお湯をカモミールティーを入れたマグカップに注ぎます。
- カップをカップソーサー、または蓋で覆い、5分間浸出させます。この時間が過ぎたら、茶こしでカモミールを濾します。
- お好みでハチミツやレモンを加えても良いですが、はちみつは糖分なので少量にしましょう。
妊娠中にカモミールティーを飲むことの注意点
この記事の中でも何度かお伝えしていますが、妊娠中にカモミールティーを飲むことが安全であるかは、個々の体調や状況により異なります。
妊娠初期には流産のリスクがあると指摘する研究もあるため、妊娠中のカモミールティーの摂取については、必ず医師や医療専門家と相談しましょう。
質の高いカモミールティーの選び方
世の中には様々な種類のカモミールティーが出回っています。しかし商品によっては低品質のカモミールであることも。
ここでは質の高いカモミールティーの選び方をご紹介します。
オーガニックであるか
有機認証を受けたカモミールティーは、化学肥料や農薬を使用せずに栽培されています。
これにより、安全で健康的なカモミールティーを選ぶことができます。
世界には様々なオーガニック認証があるので、パッケージをチェックして購入してみてもいいですね。
世界的なオーガニック認証の一部を紹介します。参考にしてみてください。
USDAオーガニック | 米国農務省(USDA)が定める有機基準に従って認定された農産物や加工食品に与えられるマーク。 |
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EUオーガニック | ヨーロッパ連合が定める有機基準に従って認定された農産物や加工食品に与えられるマーク。”Euro-Leaf”とも呼ばれる。 |
JASオーガニック | 日本農林規格(JAS)が定める有機基準に従って認定された農産物や加工食品に与えられるマーク。 |
Soil Association | イギリスの独立した有機認証機関であるSoil Associationが定める有機基準に従って認定された農産物や加工食品に与えられるマーク。 |
Demeter | ビオディナミ農法に基づく有機農業を推進する国際的な認証機関で、Demeterのマークが与えられる農産物は、厳格な基準を満たしたもの |
原産地をチェックする
カモミールティーの品質は、原産地によっても変わります。カモミールの最も一般的な原産地はヨーロッパとアジアの一部地域です。
特に東ヨーロッパや西アジアで栽培されているカモミールが高品質であるとされています。また、エジプトや北アフリカ地域でも栽培され、独特の風味を持つ品種(ジャーマンカモミールとローマンカモミール)があります。
日本国内でもカモミールは栽培され、生産量は岐阜県が日本一とされているようです。
花の大きさと色
高品質のカモミールティーは、大きくて明るい白い花が特徴です。
乾燥させたカモミールは、濃い黄色の花の部分が豊富であることが望ましいです。
香りをチェックする
良質なカモミールティーは、甘くフルーティーな香りが特徴です。香りが強く、フレッシュであればあるほど、品質が高いと言えますね。
パッケージは密封されているか
鮮度を保つために、カモミールティーは遮光性のある容器や密封性の高い袋に入れられていることが望ましいです。これにより、カモミールティーの風味が長持ちします。
妊娠中におすすめのハーブティー
妊娠中でも安心して飲めるハーブティーを紹介します。「何を飲んでいいのか分からない」という人は、ここで紹介するハーブティーから選んでみてください。
ルイボスティー
ルイボスティーは「不老不死のお茶」とも呼ばれており、赤ちゃんからお年寄りまで安心して飲めるハーブティーとして有名です。
ルイボスティーにはミネラルやビタミンがたっぷりと含まれているため、栄養素が不足しがちな妊娠中の女性にぴったりでしょう。
たんぽぽ茶(たんぽぽコーヒー)
たんぽぽの根から作られる「たんぽぽ茶」や「たんぽぽコーヒー」は、滋養強壮作用が高いと定評があります。
妊娠期間中は、赤ちゃんを育てるために母体の栄養素が使われます。すると、どうしても母体が栄養不足になってしまいやすいのです。
たんぽぽの根に含まれる豊富な栄養素は、貧弱になってしまいがちな妊婦さんにおすすめです。
ジンジャーティー
生姜だけで作るジンジャーティーは、体を芯から温めてくれるだけではなく、殺菌効果なども期待できます。
体内にウィルスなどが侵入してきた際も、生姜の殺菌効果が力強く働いてくれるでしょう。「風邪薬は飲みたくない」という妊婦さんは、ジンジャーティーを活用してみてください。
フルーツティー
「りんご」「オレンジ」「レモン」などを乾燥させて作ったフルーツティーは、ほのかな甘みと爽やかさでつわり中の妊婦さんにもおすすめです。
日常的に食べているフルーツを使用したフルーツティーなら、ハーブ特有の副作用なども気にしなくても安心して飲めるでしょう。
まこも茶
「神を宿るお茶」としてじわじわと人気が高まっているまこも茶は、ノンカフェインで妊婦さんでも安心して飲めます。
まこもには解毒作用が高い「ケイ素」がたっぷり配合されていることから、体の中に蓄積された有害物質の排除が期待できるでしょう。
それだけではなく、まこもには妊娠期に欠かせない栄養素といわれている「葉酸」もしっかりと含まれています。
妊娠中に控えた方がいいハーブティー
妊娠中に控えた方がいいハーブティーは多岐に渡ります。ここでは、一般的に「妊娠期間中は控えるべき」「飲み過ぎに注意が必要」といわれている種類を紹介します。
これはあくまでも「一部」であり、他にも控えた方がいいといわれるハーブティーがあります。
なぜ控えた方がいいかというと、これらのハーブには「子宮を収縮させる」「分娩を促進させる」などの作用があると考えられているためです。
しかし、これらのハーブティーを一口飲んでしまったからといって「必ず流産してしまう」「胎児の成長を阻害してしまう」という訳ではありません。
もちろん過剰摂取による悪影響は懸念されますが、たまに楽しむ程度なら問題ないといわれている種類も多く存在しているのが事実。
「飲みたいハーブティーがある」場合は、かかりつけ医に相談してから飲料量などを決めると安心でしょう。
【結論!】妊娠中のカモミールティーは控えておいたほうが安心
カモミールティーを飲んで流産することはほぼないと思いますが、少しでも子宮収縮につながる可能性があるのなら、念のために妊娠中の飲用は控えておいたほうが安心です。
ちなみに、私は現在3人の子どもを育てています。1人目のときは飲み物にも気を使っていましたが、2人目3人目となるといい加減になるものです。
カモミールティーやカフェイン入りの紅茶もたまに楽しんでいましたが、特に問題もなく出産できました。
もしも妊娠中にカモミールティーが飲みたくて仕方なくなった場合は、まずは担当医に相談してみましょう。
もし妊娠中にカモミールティーを飲む場合は、紅茶とカモミールティーがブレンドされていることがあるので、原材料をチェックするといいですね。
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