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ダージリン・ウバ・セイロンなど、紅茶の種類は産地によって異なることは紅茶好きであればご存知のはず。
そこで今回は、インドで採取される「アッサム」という紅茶葉に注目し、効果や味・種類などを詳しくまとめてみたいと思います。
「アッサムティーってどんな味?」「飲むことで期待できる効果は?」「ダージリンやセイロンとの違いは?」と感じている人の参考になれば幸いです。
Contents
アッサムティーとは?どんな味の紅茶なの?
アッサムティーとは、インドのアッサム地方で栽培されている紅茶の総称のことを指します。
アッサム地方にあるアッサム平原は世界でも有数の「降水量が多い土地」としても有名で、世界最大の紅茶葉産地。平原には700を超える茶園が点在しています。
年間降雨量は2,000~8,000mmと多く、平均最高気温は約28~32℃と高温多湿で、紅茶の栽培には最適!
アッサム州にある「ブラマプトラ河両岸」は標高50~120mと低く標高差が少ないことから、太陽の光をたくさん浴びてしっかりとした茶葉が育ちます。
この気候が、アッサムのコク深くてパンチの効いた味に仕上げてくれる秘密です。
ちなみに、インドで生産される紅茶の半分はアッサム地域で作られているほど、アッサム地域は紅茶の栽培に適した気候なんですよ!
アッサムの旬はいつ?
紅茶には、種類や産地によって「クオリティシーズン」と呼ばれる旬があります。
アッサムの旬は夏。特に6~7月に作られるセカンドフラッシュはミルクティーと相性抜群のコク深さがあり、1年の中で最も味が濃く甘さが引き立つ仕上がりです。
一方で、3月下旬に採取される新芽を多く含んだファーストフラッシュ(春摘み)も、フレッシュな香りとアッサムらしいコク深さのバランスに定評があります。
そして1年で最も成熟した茶葉のオータムナル(秋摘み)は、アッサムのコク深さを引き立てる濃厚な味わい。
香り高さは控えめですが、まるでチョコレートのようなどっしりとした味わいを楽しめると評判です。
- 最も上質な茶葉を楽しみたい→夏摘み
- 爽やかな香りを楽しみたい→春摘み
- どっしり濃厚な味わいを楽しみたい→秋摘み
上記のように、香りや味わいに合わせて茶葉の旬を変えてみるのもおすすめ!
「春摘み?」「セカンドフラッシュ?」茶葉の旬について詳しく知りたい人は、以下の記事もチェックしてみましょう。
アッサムの味は?
アッサムの紅茶はコクが強い飲み口と濃厚な香りが特徴的で、ミルクティーに向いている紅茶葉のひとつです。
アッサムティーは、ミルクを加えてもしっかりと紅茶の香りやコクが感じられるほどパンチが効いています。
ミルクティー向きと紹介されることの多いアッサムですが、その独特な飲み口を楽しむためにあえてストレートで飲むという紅茶好きも珍しくありません。
また、アッサム本来の味を楽しみたいのであれば、熱湯ではなく「水出し」にて抽出する方法がおすすめです。
熱湯ではなく水で抽出することで、アッサムが持つ独特の甘みを十分に引き出すことができるんです!
アッサムの歴史
インドで生産される紅茶の大半はアッサムで栽培されています。アッサムにある茶園のほとんどは「ブラマプトラ川」の側にあります。
アッサム種は1823年、イギリス人兄弟「ロバート・ブルース」「チャールズ・ブルース」によって、アッサムの奥地で発見されました。
当時のイギリスでは、中国から輸入した紅茶の消費が拡大していましたしかし、中国との貿易トラブルが発生したため、イギリスの植民地であったインドで紅茶の栽培が検討されるように。
その後、アッサム地域はインドの紅茶を代表する産地となっていったわけです。
イギリス人もびっくり!アッサムの魅力
アッサムで紅茶の栽培が始まるまでは「紅茶の茶葉は中国で栽培される」と認知されていました。
ところがアッサム種の発見により「こんなにコクが深くて濃い紅茶があるのか」と驚いたブルース兄弟。
アッサムの飲み口は中国産の紅茶と全く異なり、どっしりとしたコクや濃い味わいが特徴的でした。
「ミルクや砂糖を加えて飲む風習があるイギリス人には、中国種よりもアッサム種の方が合う」と確信したブルース兄弟は、アッサムで栽培した紅茶をイギリスで販売するようになったそうです。
アッサムティーの効果効能は?
紅茶には多くのタンニンが含まれていますが、アッサムには他の紅茶に含まれるタンニンよりも多い「1.5倍のタンニン」が含まれています。
タンニンには優れた抗酸化作用があり、殺菌や消臭効果もあるとして様々な化粧品や健康食品などにも利用されるほど!
腸の粘膜痙攣を抑えてくれる働きもあるので、下痢や軟便の改善予防にも効果が期待できます。
また、アッサムにはタンニン以外にも「アッサムサポニン」という成分が含まれていて、血流の改善・活性酸素の除去・抗ウィルス作用なども確認されていますよ。
このようにアッサムには、タンニンやアッサムサポニンといった成分が凝縮されているので、上記の効果をしっかりと感じたい人におすすめと言えるでしょう。
- 血流促進
- 冷え性緩和
- 消化促進
- 胃腸の不調緩和
- 美肌効果(お肌の引き締めや老化防止)
- 肌のターンオーバーを正常化させる
- 下痢や軟便の改善予防
- 動脈硬化などの生活習慣を予防
- インフルエンザウィルスの感染予防
- 口臭や体臭の予防
アッサムに含まれるタンニンやアッサムサポニンは、紅茶の渋みの元になっている成分です。
アッサムは渋みが強い紅茶であることからも、上記の成分が豊富に含まれていることがわかりますよね。
様々な効果効能が期待できるアッサムティー。ぜひ毎日の生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか?
茶葉の違いを解説!アッサム紅茶の2種類とは
アッサムと一口に言っても、製造方法によって以下の2種類に分類されます。
ミルクティーやストレートティーなど飲み方によってもおすすめの茶葉が異なりますので、2種類の違いや特徴をしっかりと押さえておきましょう!
CTC
アッサムで作られる90%以上の紅茶が、この「CTC製法」によって作られています。
CTCとは「Crush 押しつぶす」「Tear 引きちぎる」「Curl 丸める」という意味で、専用の機械を使用して紅茶葉を押しつぶし、引きちぎるように細かくしてから再び丸める製法。
CTCの茶葉は短時間の抽出で味がしっかりと出やすく、アッサム特有の濃い味が再現されやすいのです。
また、同じCTCでも茶葉の細かいものの方がより濃い味となりやすく、ミルクティーを飲みたいときなどには最適でしょう。
ルースリーフ
アッサムティーの約90%はCTC製法で作られていますが、残りの10%は通常の茶葉の形状を残した製法です。
このルースリーフのアッサムティーを作るためには「質のいい茶葉を使用する」という条件があるため、気候などによって製造量が変動しやすいという特徴があります。ルースリーフの茶葉は希少価値がとても高く、流通されにくいことも多いでしょう。
味や香りはCTCより弱く、抽出時間もCTCに比べると時間がかかるのも特徴的です。
ミルクティーとの相性が抜群のCTCに比べると、ルースリーフのアッサムティーはストレートで楽しむ方法が合っていますよ。
アッサムとダージリンとの違い
アッサムもダージリンも同じインドで採取されている茶葉になりますが、濃厚な香りとコクが強いアッサムに比べ、ダージリンは爽やかな渋みとマスカットのようなフルーティーな飲み口が特徴的。
ダージリンは「紅茶のシャンパン」とも言われるほど爽やかな香りが感じられ、世界三大銘茶と称されています。
ダージリンはブレンドティーのベースとしても使用されることが多く、夏場にはアイスティーとして楽しむ機会も多いでしょう。
- アッサム:濃厚で渋みが強い、ミルクティー向き
- ダージリン:爽やかな香りとキリッとした渋み、ストレートティー向き
アッサムとダージリンに負けない「ドアーズ」って紅茶、知ってる?以下の記事もチェック!
アッサムとセイロンの違い
スリランカで採取される紅茶葉の総称であるセイロンは、ダージリンと並んで世界三大紅茶としても知られています。
セイロンティーは茶園の標高によって「ハイグロウン」「ミディアムグロウン」「ローグロウン」の3種類に別れていて、一般的に標高が高い茶園で栽培されている茶葉がより香り高くて高級。
- バラのような香りと渋みが強いハイグロウンの茶葉
- 芳しい香りとやや渋めの味であるミディアムグロウンの茶葉
- 濃厚な味と控えめな香りのローグロウンの茶葉
上記のように、同じセイロンでも茶園の標高によって紅茶の味が変わってくるから面白いですよね。
濃厚でミルクティー向けであるアッサムティーに近いのは、同じくミルクティーによく使用されるウバやディンブラがあるハイグロウンのアッサムティーと言えるでしょう。
セイロンティーについて詳しく知りたい人は、以下の記事もおすすめです。
- セイロンは茶園の標高によって飲み口や香りがバラバラ
- ローグロウン<ミディアムグロウン<ハイグロウンの順で品質がいいと言われている
アッサムティーを選ぶ際のポイントは?
アッサムは世界最大級の紅茶生産地であるインドで、「主要茶葉」として扱われているほど生産量の多い紅茶です。
様々なアッサム種の茶葉が流通していますが、美味しいアッサム種の見分け方はあるのでしょうか?
ここでは、アッサムティーを選ぶ際のポイントについて解説します。
クオリティーシーズンで選ぶ
アッサムティーの茶葉が採取される時期は、1年に3回あります。
採取される季節によって紅茶の味や香りが大きく変わるため、好みの飲み口に合わせてクオリティーシーズンを選びましょう。
クオリティーシーズン | 特徴 |
---|---|
ファーストフラッシュ | 3〜4月に採取される茶葉は新芽が多く残り、あっさりとした飲み口が特徴です。緑茶のような爽快感や程よい苦味を感じたい人やストレートティーで飲みたい人にはぴったりでしょう。 |
セカンドフラッシュ | 4〜6月に採取されるセカンドフラッシュは、1年の中で最も上質な茶葉になるといわれています。アッサム特有のコクやシャープさのバランスが絶妙。芳醇な甘みとパワフルな味わいに、クリームのような滑らかな舌触りが印象的です。 |
オータムナル | 9〜11月に採取される茶葉。秋摘みならではの濃厚な味わいと重厚感のある渋みが特徴です。後味は癖がありませんが渋みが強く、ミルを入れて渋みを和らげると飲みやすくなります。 |
紅茶のクオリティーシーズンについてさらに詳しく知りたい人は、以下の記事もおすすめです。
メーカーで選ぶ
紅茶選びに迷ったら、ぜひ「高級紅茶メーカー」「老舗の紅茶メーカー」から発売されている商品を選んでみましょう。
高級紅茶の茶葉は「さすが高級品!」と唸りたくなるような、一般的なスーパーで売られている紅茶とは一線を画する味わいであることが少なくありません。
高級紅茶メーカーは自社プラントで紅茶を一から栽培していたり、独自のブレンダーを育てていたりします。
「美味しい紅茶を作るため」「紅茶本来の魅力を伝えるため」に力を注いでいるメーカーも多いため、満足度の高いアッサムティーに出会える確率が高まるでしょう。
茶葉の形状で選ぶ
紅茶には「リーフタイプ」「ティーバッグタイプ」「CTC製法」と、茶葉の形状に合わせて様々な名前がつけられています。
茶葉の形状や製法が異なれば、もちろん紅茶の味わいもダイレクトに変わります。
アッサムティーは様々な形状の茶葉が発売されているため、好みに合わせて茶葉の形状を選びましょう。
茶葉の形状 | 特徴・おすすめの飲み方 |
---|---|
リーフタイプ | 葉っぱの形を全て残した「フルリーフタイプ」や、少しだけ細かくした「ブロークン」などがあります。茶葉の大きさが大きいほど紅茶成分を抽出しにくく、蒸らしに時間がかかりますが、味わいは本格的に。リースタイプはストレートティーで楽しむのがおすすめです。 |
ティーバッグタイプ | ティーバッグタイプでは、細かく粉砕した茶葉が使用されます。リーフティーよりも味が抽出されやすいため、ミルクティーにもおすすめです。 |
CTC製法 | 茶葉を裁断・押し潰し・再形成することで、驚くほど抽出性が高まったタイプです。ミルクティーで使用するのが一般的です。 |
CTC製法についてさらに詳しく知りたい人は、以下の記事もおすすめです。
おすすめのアッサムティー3選
ここでは、おすすめのアッサムティーを3つ紹介します。クオリティシーズンが異なるものを紹介するので、好みに合わせて選んでみましょう。
アッサム ファーストフラッシュ
こちらはダージリンに13茶園を所有する、チャモングループのアッサム紅茶です。有機栽培なので安心して楽しめますよね。
春摘みのファーストフラッシュはストレートティーにも合う甘みと爽やかさですが、アッサム特有のコク深さもしっかり感じられるでしょう。
砂糖を加えなくてもほのかな甘みを感じる飲み口なので、ストレートティー派にもおすすめ!もちろんミルクティーにしても美味しいですよ!
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アッサム セカンドフラッシュ
1年の中で最も上質でバランスのいい茶葉が採取されるといわれているのが、夏摘みのセカンドフラッシュ。
コク深いアッサムティーをさらに細かくすることで、短時間で濃い味に仕上がるように仕上げられています。
アッサムの中でもパンチの効いた渋みを楽しめるため、刺激的な飲み口を好む人におすすめです。
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アッサム オータムナル
さらにコク深い味わいを求める人には、こちらの秋摘みオータムナルがぴったりです。
秋に収穫された茶葉は重い渋みが特徴的で、ミルクティーにも負けないパンチの強さも持ち合わせた飲み口。
渋みが強いため、ストレートではなくミルクティーにして渋みを和らげ飲むのがおすすめです。
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アッサムティーを飲むならこれ!おすすめの飲み方
アッサムティーは濃厚な味わいとコク、パンチの効いた渋みが特徴的な「ストロングティー」です。
そのため、ストレートティーで飲む場合は抽出時間を短めにしないと渋みだけが残ってしまう可能性が。
また、CTC製法のアッサムティーはより味や渋みが出やすいので、使用する茶葉の量を控えめにしたり軽めに淹れたりする工夫が必要です。
ストレートで飲む機会が多い人は、CTCではなくルースリーフのアッサム茶葉を選んでみましょう。
CTCに比べると抽出時間が長いルースリーフですが、アッサム特有のコクや渋みを程よく楽しむのに最適です。
ストレートティーでも十分味わい深さを楽しめますが、アッサムティーの強さやクセを生かすのであればやっぱり「ミルクティー」がおすすめ!
濃いめに淹れたアッサムティーの中にミルクを入れても美味しいですし、牛乳で煮出して作るチャイティーなどはアッサムのクセをいい意味で引き立ててくれますよ。
ミルクティーとして飲む場合は、抽出時間が短くて濃く淹れることができるCTC製法の茶葉がぴったりでしょう。
アッサムにも様々な種類があるので、好みの飲み方によって茶葉を選んでみてくださいね!
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