世界三大銘茶の一つ、インド紅茶のダージリンは「紅茶のシャンパン」と呼ばれるほど、香気が素晴らしく気品ある紅茶です。
数ある紅茶の中でも特に人気で知名度も高く、誰もが一度は飲んだことがあるお茶ではないでしょうか?
今回はそんなダージリンについて、産地や茶葉の特徴、クオリティーシーズンや美味しい飲み方などをご紹介したいと思います。
Contents
ダージリン紅茶とは?
インドといえば、紅茶の生産量、国別消費量ともに世界第1位の紅茶大国です。高品質な茶葉を世界各国に輸出しており、「紅茶=インド」というイメージもあるのではないでしょうか。
インドの紅茶栽培地域は北インドと南インドの2つに大きく分けられ、北インドはダージリンやアッサム、南インドは二ルギリが主な産地となっています。
それぞれの産地や季節によって、まったく違う特徴の紅茶が生産されており、特にダージリンは生産量も少なく世界中で高値で取引されています。
産地の特徴
ダージリンは、ブータンとネパールに挟まれた東ヒマラヤ連峰霊峰カンチェンジュンガの山麓に位置する高原で作られている紅茶です。
標高300~2200mの険しい斜面に茶樹が広がっていて、朝夕と日中の気温差が大きいのがダージリン茶畑の特徴です。
気温差によって霧が何度も発生し、ヒマラヤからは冷たい風が吹く、この独特の環境が「紅茶のシャンパン」と呼ばれるほどのフルーティーな香りや渋味、深いコクを生み出します
ダージリンの味わいや水色、茶葉の特徴
ダージリンは紅茶の中でも、華やかな香りと爽快な口当たりが特徴です。特に香りは、花やフルーツなどにも例えられているほど。収穫される季節によっても違いが大きく分かれます。
水色は赤みの薄い淡いオレンジ色です。一般的な紅茶の水色と比べてやや黄色みがかった色をしています。クオリティーシーズンによっても、この水色は濃さは変わってきます。
ダージリンの茶葉は、緑がかったものが多く見られグリニッシュと言われています。形状は細長く、撚りのかかった大型の茶葉のOPタイプが多く、ゴールデンチップやシルバーチップを多く含んだ希少なものも多く見られます。
特色豊かなダージリンの茶園
ダージリンは生産量の増加によって、多い時は180もの茶園が広がっていました。現在は合併や閉鎖により、およそ87茶園で茶葉が生産されています。
その中でも、特に人気や評価の高い茶園をいくつかご紹介します。
マーガレッツホープ茶園
ダージリンのノーザンバレーに位置する、2つの川が茶園を通るマーガレッツホープ茶園。6000フィートの標高で、広大な敷地を持っています。
以前はバラリントンという茶園名でしたが、1930年に茶園保有者の娘の名前からマーガレッツホープに変更されました。
紅茶のシャンパンと呼ばれるにふさわしい、上質なダージリンティーが作られています。
オカイティ茶園
オカイティ茶園の命名には面白いエピソードがあります。
もとは1870年代にイギリス人によって設立された茶園で、設立当初はラングドゥーと呼ばれていました。
しかし1959年の紅茶の品評会で、エリザベス女王がこの茶園の紅茶をとても気にいり絶賛の手紙を送るほど。そこには「OKAY!TEA!(OKな紅茶)」とされており、その言葉からOKAYTI(オカイティ)と茶園名が名づけられました。
冗談のような話ですが、それ以来エリザベス女王に愛されている紅茶として有名です。
キャッスルトン茶園
キャッスルトン茶園は、ダージリンでも最も有名な茶園の一つです。ダージリン南部に位置し、約250ヘクタールの茶畑が広がっています。
カルカッタのティーオークションでも高値で取引されており、優秀なダージリン紅茶を作り出すことで有名です。
特に茶園の中でも新芽で作られた「ムーンライト」や「白茶」は、入手が難しいと言われるほど希少で、日本では紅茶専門店などでとても高価な値段で販売されています。
3つのクオリティーシーズン
紅茶には最も上質な茶葉が生産される、クオリティーシーズンと呼ばれる時期(紅茶の旬)があります。
ダージリンは紅茶の中でも1年の間に3つのクオリティーシーズンがあり、それぞれに違った味わいを楽しむことができます。
ファーストフラッシュ(春摘み)
3月中旬~4月中旬、休眠後の最初に芽吹いた茶葉で作られるのがファーストフラッシュです。
芽吹いた小さな茶葉をひとつひとつ丁寧に手で摘んだこの時季の紅茶には、浅緑色の葉が多く混じっており、❝グリニッシュ❞と呼ばれる特徴があります。
爽やかで若々しい香りと、ほのかな渋み。緑茶のようなまろやかなうまみが広がります。水色は薄いオレンジ色で、ストレートで味わうのがおすすめです。
この時期の収穫量はとても少なく、高値で取引されています。
セカンドフラッシュ(夏摘み)
5月~6月、2回目に芽伸びする茶葉で作られるのがセカンドフラッシュです。濃い霧に包まれて育った茶葉は、味・香り・水色のバランスの良い、最も充実した最高級品となります。
茶葉の外観はファーストフラッシュよりも濃い褐色になり、撚りも整ってきます。水色は明るく、琥珀がかったやや濃い目のオレンジ色。すっきりとした渋みとコクが増し、きれのある味わいと後味の良さが特徴です。
またセカンドフラッシュは「マスカテルフレーバー(マスカットのような香り)」と呼ばれる爽やかな香りが特徴で、クオリティーシーズンの中でも特に人気があります。
セカンドフラッシュは最高級品質はもちろん、力強くも華やかな味わいと気高い香気から「紅茶の女王」とも呼ばれています。
オータムナル(秋摘み)
9月下旬~11月初旬、雨期の後の乾燥期に少量ながら良質の茶葉オータムナルが作られます。
ダージリンの特有の渋みは優しくなり、深く穏やかなあじわいが特徴です。水色は赤みがかった濃いオレンジ色で、コクが増したオータムナルはミルクティーとしてもおすすめの紅茶です。
以前は収穫量の少なさから、ダージリンブレンドの原料として使われていましたが、昨今では人気も高まり、お店でもよく目にするようになってきました。
美味しいダージリンの飲み方とは?
ダージリンは繊細で華やかな香りを楽しむため、まずはストレートで味わいましょう。
淹れ方はリーフティーもティーバッグも、ゴールデンルールに従って抽出します。
ダージリンの茶葉はグレードが大きいものが多く、ティーバッグの茶葉もリーフティー同様、OPなどの茶葉が使われていたりします。蒸らし時間もしっかりとり、充分に味わいと香りを引き出します。
ミルクを入れて飲む場合は、あらかじめ濃い目に抽出します。蒸らし時間をストレート時よりも2分位長めにしましょう。おすすめの茶葉はオータムナルです。
またダージリンにレモンを入れて飲む方がいますが、せっかくの香りがレモンの香りで台無しになってしまうのであまりおすすめしません。レモンの酸でダージリンの渋みが強くなり、口に残ってしまいます。
もしレモンを入れて飲みたい場合は、ホットティーよりもアイスティーが良いでしょう。
ダージリンはアイスティーにしても、すっきりとしたのど越しと香りを楽しめます。薄いオレンジ色の水色は、アイスティーにすると一層美しく映えます。
ダージリンでアイスティーを淹れる時は、熱湯を使って濃い目に抽出するオンザロックス方式かダブルクーリング方式がおすすです。セカンドフラッシュのアイスティーは、絶品なのでぜひ一度お試しください!
紅茶のシャンパン・ダージリンを味わいましょう
いかがでしたでしょうか?
ダージリンは華やかな香りと爽快な口当たりが特徴の紅茶です。収穫量も少なく、希少な茶葉は世界中で高値で取引されています。
3つのクオリティーシーズンによって、味わいと香りが変わりそれぞれの美味しさを楽しむことができるダージリン。
ぜひあなたもシーズン別、または茶園別に好みのダージリンを見つけてみてくださいね!
LINE@お友達登録で200円offプレゼント中!
inkteaはネパールから直接茶葉を輸入している紅茶専門店です。
渋みが少ない、芳醇な香りで甘みのある茶葉を使用。 フレーバーティーやハーブティーも作っています。 今ならlinktea公式LINE追加で、200円オフクーポンプレゼント中です!