紅茶を淹れる時、茶葉の中に白い茶葉が混じっていたことはありませんか?
これは「シルバーティップ」と呼ばれるもので、ティップが混ざっている紅茶は品質が良く、とても美味しいと言われています。
このシルバーティップは他の茶葉と、どう違うのでしょうか?
今回はこのシルバーティップについて、茶葉の特徴や美味しい淹れ方のコツなどをご紹介したいと思います。
希少価値の高いシルバーティップを、ぜひ味わってみましょう!
Contents
紅茶のティップ=新芽?
紅茶のグレードを表す言葉でティップという名前があります。ティップとはお茶の葉の先端にでる新芽のことで、葉になる前の針のように細く葉が開いていない状態の芽の部分を指します。
紅茶は通常、一芯二葉摘みといって葉の芯芽と上から2枚目までの葉を摘んで作られますが、ティップはまだ開かない芯芽の部分だけを一つ一つ丁寧に手で摘んで作られています。
収穫期間が短い上に、収穫に手間がかかるためほんの少ししか生産されません。
故にとても希少で、特にティップだけを集めて作られた紅茶は「幻の紅茶」とも言われ、大変高値で取引されています。
またティップの表面には白い産毛がたくさん生えていますが、中国では産毛が生えている白い新芽を「白毫(パイハウ)」と呼びます。
この呼び方がヨーロッパに伝わり、紅茶のグレード「ペコー」になったとも言われています。
ティップには「ゴールデンティップ」と「シルバーティップ」の2種類があります。
シルバーティップの特徴
シルバーティップは、ティップが銀色やグレーがかった色のように見える芯芽のことを指します。
柔らかく繊細な芯芽が傷つかないよう、丁寧に摘み取られた芽は日光の下で自然乾燥させて作られます。
紅茶の茶葉に含まれるシルバーティップの量が多くなるほど、紅茶としては高級品となり、味わいも美味しいと言われています。
また、シルバーティップだけを集めた紅茶はシルバーティップスと呼ばれ、とても希少価値が高く、高値で取引されています。
なかなか巡り合える機会も少ないので、もし出会えたらぜひ一度味わってみたいですね。
ちなみに、新芽の成長力に因んでアラブの上流階級では、ティップを多く含む紅茶を不老長寿や滋養強壮に効果があると期待し珍重しています。
シルバーティップの味と香り
とても希少で高価なシルバーティップですが、味わいと香りは紅茶と思えないほどとても淡く繊細です。熱湯を注いで長く蒸らしても、水色はほとんどでません。
香りも干し草のような緑っぽい甘い香りがかすかに香る程度で、紅茶の様な深い味わいはなく、どちらかというと中国茶に近い味と香りを感じます。
そのため、シルバーティップだけを集めた紅茶よりも、茶葉にシルバーティップが適量含まれている紅茶の方が美味しく感じるかも知れません。
シルバーティップが珍重されている理由は、希少価値の高さだけではなく、茶葉に混ぜることでまろやかで優しい風味がプラスされるとも言われています。
紅茶をさらに美味しくする、いわば隠し味のような存在ですね。
ゴールデンティップとの違いは?
ゴールデンティップは、シルバーティップを製茶工場で紅茶液に浸して着色し、金色にしたものを指します。
もともとは同じティップ(新芽)で、自然乾燥させたものがシルバーティップ、紅茶で金色に色づけたものがゴールデンティップというわけです。
ゴールデンティップもシルバーティップ同様、味わいは繊細でかすかな甘い香りがあります。ゴールデンティップだけで作られた紅茶はゴールデンティップスと呼ばれ、やはり希少価値がたかく、高値で取引されています。
ゴールデンティップは、アッサムやダージリンに含まれていることが多く、量が多いほど高級品とされています。
ゴールデンティップスについては、こちらの記事でも解説しています。
シルバーティップスを美味しく淹れよう!
先ほども言いましたが、シルバーティップのみで作られた紅茶はかなり希少価値が高く出会える機会も少ないと思います。また味わいも繊細なので、通常の紅茶の淹れ方とは少し違ったポイントがあります。
シルバーティップが手に入ったら、ぜひ淹れ方に気をつけて味わってみましょう。
シルバーティップスの美味しい淹れ方
必要なもの
- シルバーティップス/5g
- 熱湯(95~98℃)/200㏄
淹れ方
- あらかじめティーポットとティーカップを温めておく。
- やかんに新鮮な水を入れ、火にかける。沸騰したら火を止め、一呼吸置く。(これでお湯の温度が少し下がり、最適な温度になる)
- 温めたティーポットに茶葉を入れ、お湯を注ぎ蓋をしてゆっくり蒸らす。蒸らし時間は5~6分が目安。水質や水量、蒸らす時間によって味に変化があるので、お好みで調節して下さい。
- 茶こしでティーカップに注ぐ。ティーカップが2客以上ある時は、順番に少しずつ注ぎ水色と味を均一にする。最後の一滴までしっかり注ぐのがポイント。
シルバーティップスのような繊細な紅茶は、カップに注いだ後少し冷ましてから飲むと、味や香りの深みが増してより一層美味しく味わうことができます。
紅茶は通常一煎で飲み切りますが、シルバーティップスは中国茶のように二煎、三煎と楽しむことができます。変化していく味と香りを味わってみて下さいね。
紅茶にプラスして楽しむ方法
シルバーティップスは味わいよりも香りを楽しむ紅茶です。もし、味わいが物足りないと感じる場合は、手持ちの紅茶に混ぜて飲むことをおすすめします。
渋みが強い紅茶に入れれば、ティップのまろやかさがプラスされて口当たりが優しい紅茶になります。茶葉にティップが混ざっていると、見た目も特別感が出ますね。
大きな違いは感じられませんが、美味しい紅茶の「隠し味」にぜひ使ってみて下さい。
紅茶の美味しい淹れ方については、こちらの記事でも解説しています。
希少なシルバーティップを楽しみましょう
いかがでしたでしょうか?
シルバーティップは、まだ開かない芯芽の部分だけを一つ一つ丁寧に手で摘んで、自然乾燥して作られた新芽のことをいいます。
紅茶の茶葉に含まれるシルバーティップの量が多くなるほど、紅茶としては高級品となり、味わいも美味しいと言われています。
また、シルバーティップのみを集めて作られた紅茶は「シルバーティップス」と呼ばれ、味も繊細で香りも優しく、中国茶の様な味わいを楽しむことができます。
美味しく淹れるコツは、少し低めのお湯を使いじっくり時間をかけて蒸らすことです。二煎、三煎と変わってゆくシルバーティップの味と香りを楽しみましょう。
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