紅茶とハーブティーを販売している、linkteaのwebマガジンです。
紅茶の中でも大人気のアールグレイ。
身体が温まるホットティーや夏のアイスティーにも、柑橘系の爽やかな香りが私たちを癒してくれますよね。
そんなアールグレイですが、どんな紅茶かご存知でしょうか?「実は正式な紅茶ではない」という意見もある、不思議な存在。
今回はアールグレイの名前の由来や歴史についてご紹介したいと思います。
アールグレイティーのおすすめの飲み方も合わせてご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
アールグレイは紅茶じゃない?
一般的に、アールグレイは「紅茶に分類される飲み物」として知られていますが、実はアールグレイは「フレーバードティー」に分類されるべき飲み物ともいわれています。
なぜなら、一般的な紅茶というのは「茶葉そのもの」を商品化していますが、アールグレイは「茶葉に柑橘系の香りを着香」させているからです。
- 茶葉にりんごの香りを着けたもの→アップルティー
- 茶葉にレモンの香りを着けたもの→レモンティー
- 茶葉にバニラの香りを着けたもの→バニラティー
茶葉に天然香料や人工香料を用いて香り着けしたものは、使用された香料原料の名前が使用されることがほとんどです。
ベルガモットの香りを着けたアールグレイティーは、本来であれば「ベルガモットティー」と名付けられるのが自然ですよね。
このことから、厳密にいえばアールグレイティーは紅茶ではなく「フレーバードティー」として分類されるべき飲み物といえます。
しかし!なぜかアールグレイティーだけは「紅茶の一種」と考えられているケースが非常に多く、謎だらけ。
ベルガモットティーとせずに、なぜアールグレイという名前がついたのでしょうか。深く探っていきましょう。
アールグレイの名前の由来と歴史
アールグレイの「アール」は英語で「伯爵」、そして「グレイ」は英国人の姓なので、「アールグレイ=グレイ伯爵」という意味になります。
このグレイ伯爵は実在した人物で、アールグレイの名前の由来になった人です。グレイ伯爵は、1830年にイギリスの首相を務めた第二代チャールズ・グレイのことです。
グレイ伯爵は、お茶好きとして知られていました。ある時、中国から来た龍眼の木材で燻して香りをつけた紅茶をとても気にいり、イギリスでも同じものを作れないかと茶商に相談しました。
龍眼は中国や東南アジアで採れるライチのような果実で、残念ながらヨーロッパでは手に入りません。そこで、龍眼の代わりに使われたのがベルガモットだったのです。
茶商はベルガモットの香りを紅茶に着けて、グレイ伯爵の名をとり「アールグレイ」と名付けて紅茶を販売しました。
アールグレイは瞬く間に人気となり、他の茶商もベルガモットの香りの紅茶を作り、同じ名前の「アールグレイ」で販売しました。
それにより、ベルガモットの香りをつけた紅茶は「アールグレイ」と認知され、世界中にも知れ渡りました。
アールグレイの元祖はラプサンスーチョン?
中国のお茶で、ラプサンスーチョンという紅茶があるのをご存知でしょうか?この紅茶はとても癖が強いので、一度飲めば忘れることはないと思います。
ラプサンスーチョンは松の薪を燻して着香した、世界最古のフレーバーティーとも言われています。このラプサンスーチョンには、龍目の香りもついていました。
一説には、グレイ伯爵が飲んだ中国の着香茶は、このラプサンスーチョンだったのではないかと言われています。
松の薪の煙と龍目のフルーティーな香りが合わさった、珍しい香りの紅茶は当時のイギリスではとても珍重されていたようです。
アールグレイとラプサンスーチョンの香りを比べると、似ても似つかない気がしますが、実はアールグレイの元祖なのかも知れませんね。
アールグレイに使用されるベースの茶葉とその特徴
アールグレイはベースの茶葉にベルガモットの香りを着けたものですが、一口に紅茶といっても種類は様々。
ミルクにあう茶葉や渋みが強い茶葉といった個性的な茶葉もあることから、ベースに使用する茶葉の種類はしっかりと考慮しなければいけませんよね。
ここでは、アールグレイに使用されることが多いベース茶葉と、その特徴について詳しく紹介します。
キームン
アールグレイに使用されるベース茶葉として有名なのは、中国産のキームンです。
これは、先ほど紹介した「グレイ伯爵が飲んだ中国の着香茶はラプサンスーチョンだったのでは?」という観点から、中国と何かしらの深い接点があったと考えられます。
キームンをベースにしたアールグレイは、メーカーによってかなり味わいが異なります。元々、燻したようなスモーキーな味わいを持つキームンと爽やかなベルガモットの香りは、配合分量によって差が出やすいからです。
キームンベースのベルガモットは、爽やかな柑橘系の香りの中にスモーキーな甘さが感じられる飲み口。少し冷ますとよりキームンらしさが感じられます。
セイロン
スリランカで生産される茶葉の総称を「セイロンティー」と呼びますが、茶葉が育つ茶園の標高によって味わいや香りに大きな差が生じます。
爽やかなベルガモットの香りと相性がいいのは、標高1,200m以上の高地で栽培されている「ハイグロウンティー」といわれています。
「ディンブラ」「ヌワラエリヤ」などがそれに当たり、爽やかで飲み口がすっきりとしているのが特徴的。ベルガモットの爽やかさとも相性抜群です。
ダージリン
「紅茶のシャンパン」とも呼ばれているダージリンは、世界三大紅茶のひとつにも名を連ねている、紅茶の王道的存在です。
爽やかな飲み口と適度な渋みがバランス良く、クオリティーシーズンであるセカンドフラッシュのダージリンは逸品として知られています。
そんなダージリンをベースにしたアールグレイは、ベルガモットの香りの中に紅茶らしい華やかさと繊細さを含み、上品で華やかな味わいになるでしょう。
また、一口にダージリンといっても「セカンドフラッシュ」「ファーストフラッシュ」「オータムナル」と、収穫シーズンによって大きく味わいが変わります。
様々なシーズンの茶葉をベースにしたアールグレイを飲み比べてみるのも面白そうです。
クオリティーシーズンについて詳しく知りたい人は、以下の記事も参考にしてください。
2大紅茶メーカーのアールグレイ論争
人気が高く有名なアールグレイですが、このアールグレイを初めて作った元祖争いをしていた2大紅茶メーカーがいます。
イギリス紅茶でも有名なトワイニング社とジャクソン社です。
トワイニング社とジャクソン社は、グレイ伯爵が中国の着香茶に似た紅茶を作ってほしいという相談を受け、ベルガモットの香りをつけた紅茶をそれぞれ持ち込んだと言われています。
どちらが元祖アールグレイだという記述は残念ながら残っておらず、長きにわたりお互いが「うちが元祖だ」と争っていたようです。
トワイニング社は、第五代グレイ伯爵が「元祖アールグレイはトワイニング社である」と認めたと主張し、その後ジャクソン社はトワイニング社と合併したことにより、論争は終結しました。
正しい記述が残っていないので、実際の所は謎のままですが、トワイニング社が結果的に元祖アールグレイということになったようです。
ぜひやってみて!おすすめのアールグレイの飲み方
柑橘系の香りを楽しめるアールグレイティーは、ストレートで楽しむのが一般的ですが、以下のアレンジ方法もおすすめ!
「いつものアールグレイに少し飽きてきた」「斬新なアールグレイを楽しみたい」という人は、ぜひ参考にしてください。
基本的なアールグレイティーの淹れ方
アールグレイティーを淹れる際には、お茶の質やお好みに応じていくつかの方法がありますが、ここでは基本的な淹れ方をご紹介します。
用意するもの
- 茶葉: 約4〜6グラム(一人分で2〜3グラムを目安)
- 熱湯: 約400〜500ミリリットル(一人分で200〜250mlを目安)
- ティーポットまたはティーカップ
- お好みでミルクや砂糖
淹れ方
- 最初にティーポットやティーカップを温めます。これにより、ティーが均等に淹れられるようになります。ティーポットやティーカップに熱湯を入れて数分間置き、その後水を捨てます。
- 1人分のアールグレイティーを淹れるには、約1〜2ティースプーンの茶葉を使用します。お好みに応じて量を調整することができます。
- 予め温めたティーポットに茶葉を加えます。
- アールグレイティーは、メーカーにもよりますが3〜5分間蒸らします。お好みで蒸らす時間を調整し、より強い味や弱い味を得ることができます。
- 茶葉の上に適切な温度のお湯を注ぎます。
- 茶葉をティーポットから取り除きます。この時点でティーストレーナーを使用することができます。
- お好みでミルクや砂糖、レモンを加えてお楽しみください。
アールグレイミルクティー
アールグレイティーにミルクを注ぐだけ。とっても簡単に作れるのに、こだわって作ったかのような本格的な味わいが特徴です。
ベルガモットの爽やかさとミルクのコクが重なり、飲みごたえのあるアレンジレシピです。
「カモミールティー」も、ミルクとの相性が抜群です。以下の記事もぜひご覧ください。
アイスティー
ベルガモットの香りは冷やすことで引き立ちます。少し濃いめに4分ほど時間を伸ばして抽出し、氷をたっぷり入れたグラスに注ぎましょう。
お好みでレモン・オレンジ・ライムなどのフレッシュフルーツをグラスに添え、フルーティーさを演出するのもおすすめです。
癒しのアールグレイでほっと一息
アールグレイは、一年中季節を問わず美味しく飲める紅茶として、とても人気がありますね。
お菓子やパンの材料として使われることも多いので、紅茶を飲まない方でも一度はアールグレイを味わったことがあると思います。
アールグレイの名前の由来は、紅茶好きのグレイ伯爵からつけられたものです。また、元祖アールグレイ論争など歴史的にも面白いエピソードがたくさんあります。
アールグレイはその爽やかな香りや味わいだけでなく、紅茶にまつわる話も面白く魅力的です。
アールグレイを飲みながら、グレイ伯爵が再現したかった中国の着香茶は、一体どんな香りがしたのか想像してみるのも楽しいですね!
LINE@お友達登録で200円offプレゼント中!
inkteaはネパールから直接茶葉を輸入している紅茶専門店です。
渋みが少ない、芳醇な香りで甘みのある茶葉を使用。 フレーバーティーやハーブティーも作っています。 今ならlinktea公式LINE追加で、200円オフクーポンプレゼント中です!