スリランカといえば、紅茶の生産国としても有名ですよね。スリランカの紅茶は、「セイロン紅茶」とも呼ばれ、世界中の人々に愛飲されています。
そんな人気のスリランカ紅茶ですが、茶栽培の始まりや紅茶の歴史については、あまり知られていないですよね。
そこで今回は、スリランカが歩んだ紅茶の国になるまでの背景について、ご紹介したいと思います。
また、スリランカの紅茶は産地によって驚くほど味わいが様々。そんなスリランカ特有の紅茶の分類や、産地別特徴なども併せて詳しくご紹介します。
これを読んだら、スリランカ紅茶が詳しくなる!魅力満載のスリランカを学びましょう。
Contents
光り輝く島・スリランカ
スリランカはインドの南東に位置する熱帯の島で、国の正式名称は「スリランカ民主社会主義共和国」と言います。
1972年にイギリスから独立し、国名を「セイロン」からスリランカ共和国に改めました。そのため、今でもスリランカの紅茶はかつての国名から「セイロン紅茶(ティー)」と呼ばれています。
スリランカとは、シンハラ語で「聖なる光り輝く島」という意味です。素敵な国名の由来ですね!ちなみに旧国名のセイロンは「ライオンの島」という意味だそうです。
セイロンティーの証ライオンロゴとは?
セイロンティーのパッケージに、CEYRON TEAと書かれたライオンのロゴがついているのを見たことがあるでしょうか?
このロゴは、スリランカの紅茶局が認証する基準を満たしている紅茶だけにつけられる証明で、スリランカの国旗と同じライオンが描かれています。
このマークがついている紅茶は、100%純正のセイロンティーなので安心して買えますね。セイロンティーを購入する時は、ぜひチェックしてみてください。
スリランカの茶栽培の始まりと歴史
現在は紅茶の生産国として有名なスリランカですが、かつては紅茶ではなく世界第2位のコーヒー生産地でした。
しかし、1868年にセイロン島一帯を襲ったサビ病で、コーヒー農園は壊滅という大打撃を受けました。そこでコーヒーに変わって栽培が始まったのが、お茶でした。
イギリスの植民地だったセイロン島は、当時インドで盛んに行われていた紅茶栽培のさらなる生産力アップのための場所として選ばれたのです。
セイロン島の気候が茶栽培の生育条件に適していたこともあり、紅茶の生産地として一気にその規模を拡大していきました。
スリランカで生産される紅茶は香気や味わいに優れており、瞬く間に大評判に。その結果、生産量世界第2位、輸出量世界第1位の紅茶生産国として世界中に知られるようになったのです。
紅茶の父と紅茶の王
セイロン紅茶の歴史を語る上で、なくてはならない人物が2人います。それは、紅茶の父と呼ばれた「ジェームス・テーラー」と紅茶の王「トーマス・リプトン」です。
ジェームス・テーラーはスリランカの紅茶産業の基盤を築いた人物です。スコットランド出身の彼は、16歳の頃コーヒー栽培の助手として働くためスリランカに渡りました。
コーヒー農園で働いていたジェームス・テーラーはある日、新しい仕事としてルコンデラという茶園を任されました。そこで茶葉の栽培方法と処理について実験を繰り返し、茶栽培に情熱を捧げました。
そんな折、セイロン島一帯に流行したサビ病により、コーヒー栽培が衰退。次第に紅茶栽培に変換されていた頃、ジェームス・テーラーの茶栽培手法が他の農園にも広がり、ロンドンの茶市場で高い評価を受けるようになったのです。
その後、ジェームス・テーラーは製茶機械の開発や製茶工場の建設などに着手し、セイロン紅茶の名を世界に広めていきました。
そして、セイロン紅茶にかかせないもう一人の人物、トーマス・リプトンについてです。
紅茶好きな方でなくても知っているであろう有名な紅茶ブランド「リプトン」の創業者ですが、1890年に世界一美味しい紅茶を求めて足を運んだのがセイロン島でした。
トーマス・リプトンはウバに広大な土地を買い、インドのアッサム種の栽培をはじめました。商才にたけたトーマス・リプトンは、紅茶作りにブレンディングという技術を摂り入れ、今までにない味わいの紅茶を作り上げました。
リプトンの紅茶は「茶園から直接ティーポットへ」というスローガンのもと、手頃で質の良い紅茶作りをセイロン紅茶によって実現しました。
このように、紅茶に関わる2人の功績により、セイロン紅茶の人気は世界中に知れ渡りました。
産地別セイロン紅茶の特徴とは?
スリランカでは、主に5つの産地で紅茶が生産されています。
また、それぞれの紅茶は製茶工場がある建物の標高によって、高地産、中地産、低地産の3つに分けられます。
産地別によって、紅茶の特徴や味わいも変わり、セイロンティー特有の美味しさを作り出しています。
高地産/ハイグロウンティー
標高1300ⅿ(4000フィート)以上の製茶工場で栽培されている紅茶で、ウバ・ヌワラエリア・ディンブラが三大ハイグロウンティーと呼ばれています。
高地産の紅茶は、独特のデリケートな味わいと口当たりの良い爽快な渋み、華やかな香気をもち、水色は明るいのが特徴です。一般的に味が濃いため、ミルクティーによく合います。
高地の冷涼な気候のもとで作られる高地産紅茶は、セイロン紅茶の最高級品といわれています。
ウバ
世界三大銘茶のひとつとして数えられているウバは、スリランカ南東部の高地で生産されています。
昼夜の寒暖差により発生する霧が、「ウバフレーバー」と呼ばれるスズランの花香やメンソール香のような独特の香りを作り出し、特に珍重され高値で取引されています。
爽快な渋み、特有の香気とコク、赤みの濃いオレンジ色の水色が特徴で、クオリティーシーズンは7~9月。
ゴールデンリング(カップの縁の水色)を楽しむなら、ストレートがおすすめですが、ミルクティーにしてもとても美味しいです。
ヌワラエリア
ウバとは反対側に位置するスリランカ南西部で生産されている高地産紅茶が、ヌワラエリアです。
緑茶に似た適度な渋みと優雅でデリケートな香気、淡いオレンジ色の水色が特徴です。クオリティーシーズンは1~2月。
緑茶のような快い渋みとすっきりとした爽快感があり、ストレートで飲むのがおすすめです。
ディンブラ
スリランカ南西部の高地斜面に位置するディンブラは、ウバとは中央山脈を挟んで反対側にあり、ハイグロウンティーの中でも最も標高の低い産地です。
クオリティーシーズンは1~2月ですが、年間生産量が多く、クオリティーシーズン以外でも安定した品質のお茶が生産されることでも有名ですね。
バラの香りに似た高貴な香りと、まろやかで程よい適度な「ブリスク」と呼ばれる渋みがあり、明るくオレンジがかった鮮紅色の水色が特徴。
ストレートでもミルクを入れても美味しく飲める紅茶で、日本人がイメージする紅茶に最も近い味わいと言われています。
ディンブラについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
中地産/ミディアムグロウンティー
標高670~1300ⅿ(2000~4000フィート)の製茶工場で栽培される紅茶で、渋みはやや弱く力強い味わいが特徴です。
また、ハイグロウンティーより香りが豊かなので、ブレンドティーのベースに使われることも多く、バランスの良い紅茶が生産されています。主な産地はキャンディです。
キャンディ
スリランカ南部の内陸に位置し、かつて最後のシンハラ王朝があった古都キャンディ。スリランカ紅茶の生みの親といわれているジェームス・テーラーが最初に茶園を開いた産地としても有名です。
高地産の紅茶に比べて、水色はやや濃く輝きのある鮮やかな紅色をしています。渋みは少なく、芳醇な香気とくせのないすっきりとした味わいが特徴です。
ストレート以外にも、バリエーションティーやアイスティーにも向いています。
キャンディの産地についてもっと知りたい方は、こちらの記事もおすすめ!
低地産/ローグロウンティー
標高670m(2000フィート)以下の製茶工場で栽培される紅茶で、香りは控えめで、水色が濃いのが特徴です。
味わいがしっかり濃いので、ペットボトル紅茶などに使われることがあります。主な産地はルフナです。
ルフナ
シンハリ語で「南」という意味のルフナは、スリランカの南部で生産される低地産紅茶です。
茶葉の外観は黒っぽく、水色は濃く深い赤色をしています。渋みは少なく燻したようなスモーキーな香りが特徴です。ミルクティーにすると色合いが深く、マイルドな風味が味わえます。
中近東への輸出が多く、現地ではチャイ用として使われています。ルフナ特有の香りは、日本でも根強い人気があります。
スリランカの紅茶の魅力
いかがでしたでしょうか?
紅茶の国として有名なスリランカですが、茶栽培が本格的に始まったのは約130年前と歴史は意外にも浅いようです。
それでも、現在では世界有数の紅茶生産国として知られ、セイロンティーは世界中で「美味しい紅茶」の代名詞にもなっていますね。
スリランカ特有の紅茶の味わいを楽しめるのも、ジェームス・テーラーとトーマス・リプトンお二人の功績のおかげではないでしょうか。
スリランカの紅茶の歴史を知ってから飲む紅茶はまたひと味違うかも知れませんね。時には歴史に想いを馳せながら、ティータイムを楽しんでみるのはいかがでしょうか。
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