同じ品種の紅茶でも、産地ごとに味わいや香りが大きく異なるのはなぜでしょうか。それは、茶園ごとの「製造工程」に違いがあるから。
そこで今回は、紅茶の製造工程に着目!機械加工〜発酵・完成までの基本的なプロセスはもちろん、こだわりの製造工程を守り続けている茶園の紹介もしてみたいと思います。
Contents
紅茶の製造方法に種類はある?
紅茶の製造方法には、大きく分けて3種類あります。詳しく解説してみましょう。
製法 | 特徴 |
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オーソドックス (伝統的)製法 | 200年前に中国で完成した手作りの製法を、イギリス人が機械化したもの。各工程を異なる機械でおこないつつ、人の手を加えることで茶葉本来の個性をしっかりと引き出す製法。「茶葉の形を残したリーフタイプ」と「茶葉をカットしたブロークンタイプ」の2種類に分かれる。 |
アン・オーソドックス (非伝統的)製法 | 「CTC製法」「ローターバン製法」の2種類がある。発酵を効率的におこなうことで、短時間に大量生産できるのが最大の特徴。オーソドックス製法では各工程を異なる機械でおこなっていたが、アン・オーソドックス製法では各工程をひとつの機械でおこなうため作業効率が格段にUP! |
紅茶の製造は、元々は全てを手摘みや手作業によっておこなわれていました。
しかし、時代の流れとともにより効率的な製造方法が開発され、手作業から機械製造へと切り替わっていくことに。
現在では多くの茶園が機械加工を取り入れながら、茶葉本来の旨みを最大限に生かす紅茶作りを意識しています。
紅茶の具体的な製造工程が知りたい!機械加工〜発酵・完成まで
紅茶の製造方法には、大きく分けて3つの種類がありました。
そこでここでは、最も主流の製法となっている「オーソドックス製法」と「アン・オーソドックス製法」の詳しい工程についてまとめます。
オーソドックス製法の工程 |
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アン・オーソドックス製法の工程(CTC製法) |
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アン・オーソドックス製法の工程(ローターバン製法) |
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各工程には似通ったところがありますよね。以下に、具体的な工程内容を紹介します。
萎凋(いちょう)とは?
萎凋とは、茶葉をしおらせることです。生の茶葉は水分を多く含んでいるため、そのまま揉んでしまうと茶葉が痛んでしまいます。
そのため、萎凋の工程では茶葉を40〜50%ほど乾燥させ、揉みやすく加工します。萎凋はどの製法でも必ずおこないます。
揉捻(じゅうねん)とは?
揉捻とは、しおらせた茶葉を揉み込む工程。萎凋後の茶葉を揉捻機へ投入し、手のひらをすり合わせるような動きによって葉の汁を分泌させます。
揉捻によって分泌された葉汁は茶葉の酸化発酵のために一役買っていて、発酵して仕上げる紅茶には欠かせない工程です。
玉解きとは?
揉捻後の茶葉は葉汁の影響で団子のような塊になっているため、振動している機械の上を流れさせることで、塊をほぐしていきます。
玉解きをしっかりとおこなうか否かによって、次の発酵工程の進み具合が異なるため、玉解き機のクオリティーによっては何回か玉解き工程を繰り返す場合もあります。
CTCとは?
CTC製法とは、押しつぶす(Crush)引き裂く(Tear)丸める(Curl)という加工を、機械でおこなう製法です。
茶葉を押しつぶしたり引き裂いたりして細かくした後、再度丸めて形成します。
CTC製法の茶葉はオーソドックス製法の茶葉に比べて短時間で濃い紅茶が抽出でき、ミルクティーやチャイなどに活用されることがメインです。
ローターバンとは?
ローターバンとは、ローターベインという機械を使用した茶葉の製造方法。
この機械は一般的な機械とは異なり「2〜3台の機械が連結されている」ような大きさが特徴的で、挽肉機の原理を応用して作られたものです。
ローターベインの機械では茶葉を圧縮して切断し、細かく砕きます。その後に玉解きや茶葉の形成が続きでおこなわれるため、効率的に茶葉の製造が進みます。
発酵とは?
紅茶は発酵させることで、独特の旨みやフルーティーな香りに仕上がるのが特徴です。
一般的には「温度25〜30℃・湿度90%」の室内で数時間置き、葉の表面が赤銅色に変化するまで発酵させていきます。
酸化発酵が進むにつれて紅茶らしい香りに変化していくことから、発酵工程は紅茶の味わいを決める大きなポイントになるといっても過言ではありません。
乾燥とは?
乾燥とは、熱風によって茶葉を完全に乾燥させる工程。
茶葉を加熱することによって酸化発酵が止まり、紅茶らしい味わいや風味が固定されます。
紅茶の味わいを決定付けるのは、「発酵や乾燥のタイミング」にかかっているとも考えられるでしょう。
現在は「セミ・オーソドックス製法」が主流に!
人の手を加えることで茶葉の個性を最大限に引き出すオーソドックス製法ですが、この製法で製造すると「量が限られる」「時間がかかる」などのデメリットがあります。
一方で、大量生産向きのアン・オーソドックス製法では茶葉本来の特性が最大限に生かされにくいという点も問題視されています。
そこで誕生したのが、オーソドックス製法とアン・オーソドックス製法を融合した「セミ・オーソドックス製法」。
この製法では、オーソドックス製法による揉捻工程の後に、葉を切断する機械(ローターバン)に通します。
オーソドックス製法とアン・オーソドックス製法を組み合わせることで、より短時間でオーソドックス製法に近い香りと味わいに仕上げられると注目を集めている製法でもあります。
また、セミ・オーソドックス製法はスリランカやインドなどを中心に普及し、現在では流通している紅茶の大半がこの製法によるものとなりました。
茶葉の製法によって紅茶の味わいにも差が出るため、とことんこだわりたい人は「茶葉の製法」にも着目してみましょう!
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