日本で流通している紅茶の多くは、インドやスリランカなど紅茶の生産が盛んに行われている国から輸入したもの。
しかし、スーパーやデパートでは、「国産紅茶」と称する日本国内で生産加工された紅茶を見かけることがあります。
海外紅茶に比べて、国産紅茶の味わいはどのように異なるのでしょうか?
今回は、国産紅茶に使用されている茶葉の種類だけではなく、各地域の特色が色濃く反映された「ご当地紅茶」についても詳しくご紹介します。
Contents
国産紅茶とは?
国産紅茶とは、日本で栽培採取した茶葉を使用して作られた「100%国産の紅茶」です。
紅茶といえば「インドのダージリンティー」「スリランカのセイロンティー」などが有名ですが、紅茶の元になっているチャノキは世界中に分布されています。
チャノキには「緑茶に向く品種」や「紅茶に向く品種」など様々な品種があり、日本でもたくさんの品種が栽培されています。
そんな日本国内で栽培したチャノキに生える葉を採取し、完全発酵させて作られたのが「国産紅茶」。
地域によっては「和紅茶」「地紅茶」などの呼び名もあり、静岡県を中心にして全国で紅茶の製造が行われています。
国内の紅茶生産地
日本で最も多く紅茶を作っているのは、お茶の名産地でもある「静岡県」です。静岡県では国産紅茶の7割近くを製造していて、出荷量出荷額ともダントツの日本一に輝いています!
静岡県の山間地は「良質な茶葉の栽培に理想的」と言われている環境で、海外紅茶に負けないくらいのコクと旨味のある高級紅茶に仕上がると評判に。
静岡県以外では、九州地方・京都・埼玉県なども紅茶生産に力を入れています。
出典:全国地紅茶サミット世話人会
https://kouchanokai.jimdofree.com/地紅茶-locally-grown-tea/
国産紅茶の味わいは?
国産紅茶はクセの強い種類が多い海外紅茶に比べると「まろやかでクセが少なく飲みやすい」と表現されることが多いのですが、実は茶葉の品種や製茶方法によって味わいは異なります。
国産紅茶にクセの少ない紅茶が多いのは確かですが、作り手のこだわりにより「渋さを強調した紅茶」「コクの深い紅茶」なども作られているんですよ!
ただし、国産紅茶は海外紅茶の中でも特にパンチが効いている「ウバ」「ディンブラ」「CTC製法の紅茶」などに比べると控えめな印象の紅茶が多く、幅広い層に受け入れられやすい飲み口であることも事実です。
国産紅茶に使用される茶葉の品種
国内で栽培・製茶されている国産紅茶ですが、使用される品種は農園オーナーの好みによって異なります。
ここでは、国産紅茶で使用されることの多い品種とその特徴についてまとめてみたいと思います。
べにふうき
べにふうきは和紅茶の代表格で、インド系アッサム種を元になっています。紅茶特有の渋みをしっかりと感じられる味わいで、どっしりとした旨味とコクがあります。
ストレートで楽しむのはもちろん、ミルクを加えても負けない力強さを感じられるでしょう。
また、国産紅茶の多くに使用されている品種ではありますが、発酵の具合によって味や香りに差が生じやすいのが特徴的。
製茶テクニックによって異なる仕上がりになるため、茶園による特性を楽しみやすい品種です。
べにひかり
べにひかりは緑茶を思わせるような、シャープですっきりとした渋みと旨味を感じられる品種です。
耐寒性・発酵性に優れているため取扱しやすい品種で、多くの茶園が緑茶のサブ的ポジションで栽培・製造を行なっていることがあります。
キリリとした渋みや旨味は甘いお菓子とも相性抜群で、緑茶代わりとしても楽しめそうな飲み口です。
べにほまれ
べにほまれは、日本で初めての「紅茶専門品種」として位置づけられました。
じっくりと蒸らすことでべにほまれ特有の甘い香りが引き立ち、ワインのような褐色は見た目にも楽しませてくれること間違いなし!
コクのある深い味わいはミルクとの相性が抜群ですし、砂糖を加えることでよりどっしりとしたボディを楽しめるでしょう。
ただにしき
ただにしきの名前は、アッサム地方から紅茶の種子を持ち帰った「多田元吉」という人物の名からつけられた紅茶の品種。
インド系アッサム種の種子を日本国内で何度も改良しているため、アッサム種特有の味わいを残しつつ、渋みや香りを抑えた飲みやすい仕上がりになっています。
ただにしきは現在とても希少価値の高い品種。実際に、ただにしきを栽培している農園はごく一部に限られているため、市場への流通量は非常に少なくなっています。
やぶきた
やぶきたは緑茶に向く品種ですが、あえて紅茶にすることで紅茶らしさを控えめにし、日常茶としてふさわしい仕上がりを目指している茶縁もあります。
やぶきた品種の紅茶は、一般的な紅茶によく感じられる「香り高さ」が少なく、旨味と渋みのバランスが取れた飲み口です。
いずみ
いずみは「幻のお茶」と呼ばれているほど稀少性の高い品種で、国内に数件の生産者がいるだけ。
元々は、九州でよく作られる「釜炒り茶」用に栽培された品種です。緑茶らしいフレッシュさに加え、スズランの花のような甘い香りや桃を思わせる優しい香りがほのかに感じられます。
全体的に渋みが強くコクもしっかりとしていて、淹れ方によって味わいが変わりやすい個性的な品種です。
みなみさやか
こちらも、上記でご紹介した「いずみ」と同じ、釜炒り茶品種です。
「セイロン紅茶のシャンパン」とも称される「ハイグロウン・ヌワラエリヤ」を思わせる味わいで、紅茶の香り高さを堪能できる品種と言えるでしょう。
緑茶向きの品種であることから、緑茶特有の渋みはフレッシュで切れ味抜群!それに加わり、発酵した茶葉のコク深い香りが混ざり合って繊細な飲み口に仕上がります。
重厚感が控えめなので、アイスティーにしてごくごく飲むのもおすすめです。
国産紅茶は「産地の特色」が出やすい!それぞれの味を楽しもう
いかがでしたか?
国産紅茶に使用されている茶葉の品種は、紅茶に向くものもあれば緑茶向けのものまで様々でしたね。
使用する品種によって紅茶の味わいが異なるのはもちろんですが、同じ品種であっても栽培方法や製茶具合によって味わいが変化するのも国産紅茶の面白いところ。
現在は45都府県769箇所にて国産紅茶が作られています。地域のスーパーや道の駅などにご当地紅茶が置かれていることも多いので、ぜひ各茶園の特色を楽しんでみましょう!
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