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イギリスでは有名な「アフタヌーンティー」。
午後のゆったりとした時間を使い、ミルクたっぷりの紅茶やスコーンなどの焼き菓子を楽しむイギリス独自の習慣です。
一方で「ハイティー」とは、アフタヌーンティーよりも遅い時間に楽しむお茶習慣。
この2つは言葉が似ていることもあり、同じように捉えられがちですが、実は明確な違いがあり、イギリスの歴史が色濃く反映されてもいるのです。
そこで今回は、ハイティーとアフタヌーンティーの違いについて詳しく解説します。
Contents
ハイティーとは?
ハイティーとは、午後のティータイム習慣に用いられる言葉。
ハイティーを飲む時間帯は「17時以降」のことが多く、17〜18時頃から始まるため、ほぼ夕食を兼ね合わせているのが特徴的です。
そのため、ハイティーとともに用意される食べ物は「サンドイッチ」「お菓子」などの軽食はもちろん、肉や魚などを使用した「メイン料理」も見られるのが一般的。
ハイティーの名前の由来
ハイティーという名前の由来は「high(高い)」という単語から来ています。
これは、ハイティーを楽しむ際に使用されるテーブルが、食卓のテーブルとして使用される「ハイテーブル」であったため。
後に紹介するアフタヌーンティーではローテーブルが使用されますが、ハイティーは夕食も兼ね合わせているため、基本的にハイテーブルで楽しむことが多かったようです。
また、ハイティーで用意される食べ物は肉料理を中心としていたことから、ハイカロリーな食事が多く「ハイティー」「ミート(肉)ティー」などの別名もあります。
アフタヌーンティーとは?
ハイティーを語る上で避けて通れないのが「アフタヌーンティー」です。アフタヌーンティーとはイギリスで始まったお茶習慣で、15時頃に軽食とともに楽しみます。
アフタヌーンティーの時間帯は一般的に「14時〜17時頃」です。
アフタヌーンティーは主に貴族や上流階級者が嗜む娯楽として定着していて、友人や来客を誘って豪華なお茶会を開催することが爆発的に流行りました。
アフタヌーンティーでは紅茶はもちろん提供されますが、スコーンやサンドイッチなどの軽食を添えることが圧倒的に多く、夕食までの空腹を紛らわすためだとも考えられています。
また、アフタヌーンティーは脚の短い「ローテーブル&ローチェア」で楽しむのが基本!別名「ローティー」ともいわれていますよ。
アフタヌーンティーについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめ!
おうちアフタヌーンティーでゆっくりティータイムを過ごすのはいかがでしょうか。
ハイティーの歴史
ハイティーが誕生したのは1800年代後半。北イングランドやスコットランドの労働階級者や農民など、上流階級以外の労働者によって定着されました。
もともと、紅茶は非常に入手困難で貴重な嗜好品として重宝されていた飲み物。
中流階級以下の労働者や農民が気軽に楽しめる飲み物ではありませんでしたが、革命産業や茶葉の生産料増加などにともない、一般階級の労働者でも紅茶を楽しめる時代になりました。
しかし、朝から夕方まで労働している中流階級以下の労働者にとって、昼下がりの「優雅なティータイム」は非現実的。昼下がりに優雅なお茶会を開けるのは、上流階級やごく限られた一部の人だけです。
そのため、労働階級者や農民は「仕事が終わる時間帯」にお茶を楽しむようになりました。これがハイティーの始まりです。
シンガポールのハイティー文化
現在はイギリスだけではなく、アメリカや日本でもハイティーという言葉が知られるようになりましたが、世界的にハイティーの歴史が古いのはシンガポールでしょう。
シンガポールではイギリス植民地時代の影響が今でも色濃く残っていて、ハイティーもその中の一つ。
イギリス周辺では「夕食を兼ねたお茶習慣」として定着したハイティーですが、シンガポールのハイティーは少し考え方が異なります。
シンガポールでハイティーが根付いたのは、植民地時代にシンガポールに滞在していたイギリス人女性が「涼しくなった夕方以降にお茶会を楽しんでいた」ことがきっかけです。
そのため、シンガポールでハイティーといえば、夕食を兼ねたお茶会というよりも「優雅な空間を楽しむため」のお茶習慣と位置付けられています。
シンガポールのハイティーでは、軽食やスイーツだけでなく飲茶などの食事もビュッフェ形式で提供されてきました。
シンガポールでのハイティーは、どちらかというと「イギリスでのアフタヌーンティー(=貴族が楽しむ娯楽の一環)」に近い考え方だといえるでしょう。
ハイティーとアフタヌーンティーの違いとは?
ハイティーとアフタヌーンティーの違いは、お茶を飲む時間帯と添えられる食べ物の2つです。以下にハイティーとアフタヌーンティーの違いをまとめているので、参考にしてください。
ハイティー | アフタヌーンティー | |
時間帯 | 午後17時頃 | 午後15時頃 |
食べ物 | メイン料理が中心 | 焼き菓子などのお菓子が中心 |
テーブル | ハイテーブル使用 | ローテーブル使用 |
目的 | 夕食も兼ね合わせた労働者の習慣 | 貴族の娯楽として習慣化された |
一見、飲む時間帯だけが異なり、そのほかは大差なく感じられるハイティーとアフタヌーンティー。
しかし、ハイティーやアフタヌーンティーが誕生した経緯や歴史的背景を見てみると、両者の目的や違いがはっきりと浮き上がってきます。
ハイティーは主に「食事と兼ね合わせた労働者の習慣」であるのに対して、アフタヌーンティーは「貴族や上流階級者の娯楽」です。
ハイティーではより「食事を主体としたカジュアルな飲み方」がされていたはずですし、反対にアフタヌーンティーでは「娯楽を主体とした豪華なお茶会」が開催されていたことでしょう。
ハイティーとアフタヌーンティーは根本の目的が異なるため、添えられる食べ物の質や内容に差が生じるのはもちろん、ティーカップなどの器具にも違いが生まれていたことが予測できます。
ハイティーの現在の役割
現在は「ハイティー」の意味は少し変わりつつあります。
イギリスではハイティーはカジュアルな夕食または家族向けの食事として見られることが多く、一部の地域では「ハイティー」は単に夕食を指す言葉として使われています。
これらの場所ではハイティーは夕食や昼食といった食事ではなく、ケーキ、スコーン、サンドイッチ、お茶などの軽食やお菓子を提供することがよくあります。
つまり、「ハイティー」はその地域や文化によって、家庭での簡単な夕食から、社交的なイベントや特別な機会のための豪華なアフタヌーンティーまで、さまざまな形をとることがあるのです。
しかし、近年では、ハイティーが上品で華やかなイベントとして再評価されつつあります。
高級ホテルやカフェでは、美しい磁器のティーセットとともに、繊細なケーキやサンドイッチを供するアフタヌーンティーの時間を「ハイティー」と称しています。
これにより、社交の場としてのハイティーは豪華さと伝統の象徴ともなっているのです。
ハイティーの歴史を知って紅茶文化をもっと楽しもう!
今回は「ハイティー」「アフタヌーンティー」について詳しく紹介しました。
今までなんとなく聞き流していたこれらの言葉ですが、始まりのきっかけや目的の違いなどを意識するだけで、より充実したティータイムにつなげられそうです。
「ハイティーは17時以降に楽しむ夕食兼用のお茶会」「アフタヌーンティーは15時頃に楽しむ娯楽の一環」という明確な違いがあるため、ご自身のティータイムに生かしてみるのもいいでしょう。
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