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紅茶とは似ても似つかない風味の緑茶やウーロン茶ですが、実は「同じ茶の木」から採取した葉で作られていることをご存じでしょうか。
同じ茶葉を使用しているのであれば風味や味わいも似るはずですが、紅茶・緑茶・ウーロン茶にはそれぞれの特徴が色濃く映し出されています。
そのヒミツが「茶葉の発酵」です。茶葉を発酵させることによって、同じ茶葉でも味わいに変化が現れます。
今回の記事では、茶葉の発酵について詳しく解説していきたいと思います。
Contents
紅茶は「茶葉を発酵」させて作る飲み物
紅茶は、茶葉を発酵させて作った飲み物です。採取した茶葉を一定期間放置しておくことにより、酸素によって発酵されていきます。
一口に「発酵」といっても、発酵のさせ方やどのくらい発酵させるかによっても紅茶の味わいが変わっていくのが特徴です。
ここでは、紅茶の発酵だけではなく、緑茶やウーロン茶との違いについても考えてみましょう。
発酵は「腐敗」「成熟」と何が違うの?
「発酵」と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、日本人に馴染み深い「納豆」や「味噌」ではないでしょうか。これらは微生物の力を借りて発酵させている食べ物です。
「発酵と腐敗・熟成の違いがわからない」という人も少なくありませんが、発酵と腐敗は紙一重といえるでしょう。
人間にとって害となる発酵のことを「腐敗」といい、害のない発酵のことをそのまま「発酵」と呼んでいるだけです。
また、熟成とは「旨味を増すために一定期間寝かせること」を指し、必ずしも発酵しているとは限りません。
「発酵」「腐敗」「熟成」と似たような言葉があるため混乱してしまいやすいですが、人間にとって都合がいいのか不都合なのかで分けられていることを覚えておきましょう。
紅茶・緑茶・烏龍茶の違い
紅茶は茶葉を発酵させて作る「発酵茶」ですが、緑茶は発酵させずに作られた「不発酵茶」に分類され、ウーロン茶は途中まで発酵させた「半発酵茶」です。
どの程度発酵させたのかという「発酵具合」によってお茶の種類が変わることから、発酵の技術や度合いを正確にコントロールする技術が必要になります。
発酵の特徴としては、発酵が進むにつれて茶葉の色は緑色から褐色に変化し、味わいは渋味から芳醇なコクや香りへと変化していきます。
紅茶は茶葉を完全に発酵させた「完全発酵茶」ですが、半発酵茶のウーロン茶は「発酵を途中で止める必要」が出てきます。
発酵を止める手段は「釜で炒る」「蒸気で蒸す」など、製法はメーカーによって異なるのも特徴的です。
ちなみに、緑茶は製茶初段階で発酵させないために「茶葉を蒸す」という工程があります。そのため、市販の緑茶を購入して発酵させても紅茶にはなりません。
紅茶の詳しい製造工程が知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
発酵させることのメリットデメリット
茶葉を発酵させると、どのようなメリットデメリットがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
メリット
テアフラビンには強力な抗菌作用があり、動脈硬化などの生活習慣病の予防だけではなく、インフルエンザウィルスの感染力を99%以上抑止する効果もあります。
デメリット
好みの問題になりますが、茶葉を発酵させることで「渋み」「青々しさ」が低くなってしまいます。
緑茶のように爽やかでシャープな飲み口が好きな人にとっては、芳醇な飲み口が物足りなく感じてしまうこともありそうです。
紅茶の発酵過程を徹底調査!繊細な味わいのヒミツに迫る
茶葉を発酵させることで味わいや香りに変化をつけられますが、昔の人は「意図的に」発酵技術を用いて紅茶を生み出していたのでしょうか。それとも偶然の出来事だったのでしょうか。
ここでは、紅茶の歴史や発酵についてのヒミツについて詳しく解説します。
なぜ発酵させて作られるようになったのか
航空機がなかった時代は、茶葉を船に積んで輸入していました。長い船旅の中で、茶葉が発酵してしまったことから偶然的に紅茶が誕生したという説があります。
他には、イギリスが中国から半発酵茶(ウーロン茶)を輸入した際、未発酵茶よりも評判が高かったことから、さらに発酵を進めて紅茶が誕生したという説も。
どの説が正しいかは分かっていませんが、紅茶誕生の秘話に思いを馳せてみるのも面白いですよね。
紅茶が発酵する際のヒミツ
「室温30度・湿度90%」の環境下で約2〜4時間発酵するとスムーズに進むと考えられていますが、発酵時間は茶葉の鮮度・大きさ・柔らかさ、季節(気温な湿度など)によっても異なります。
発酵の過程における茶葉の変化は、緑色だった茶葉が赤褐色に変化。そして、香りは爽やかな香りから紅茶特有の芳醇な芳香を放つようになります。
紅茶の発酵は「酸化発酵」
一口に発酵といっても、発酵の種類は様々です。納豆や味噌は微生物によって発酵が進む「微生物発酵」ですが、紅茶が発酵するのは、茶葉が酸素に触れているために起こる「酸化発酵」が一般的。
また、面白い酸化発酵をさせる紅茶もあります。その紅茶は、台湾紅茶として有名な「蜜香紅茶」です。
台湾でのみ生産されるはちみつ香が特徴的なこの紅茶は、ウンカという虫に茶葉をわざと噛ませます。噛まれた茶葉は自己防御の仕組みが働き、特有の成分が葉中に生成されるように。
そしてこの成分が発酵途中で甘い蜜のような香りに変化し、最終的に甘い蜜香を放つ「蜜香紅茶」に仕上がっていきます。
世界中では様々な紅茶が酸化発酵によって作られていますが、虫を利用して美味しい紅茶が作られるなんて…なんだか虫すらも愛おしくなってしまうような、自然界の愛を感じます。
蜜香紅茶について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
後発酵とは?
茶葉を収穫してすぐの段階で発酵を止めたものを「未発酵茶(緑茶)」、緑の茶葉が半分くらい発酵した段階で止めるのが「半発酵茶(プーアール茶)」、茶葉が完全に茶褐色になるまで発酵させたのが「発酵茶(紅茶)」ですが、その他にも「後発酵茶」と呼ばれるものがあります。
後発酵茶は、製茶が終わった後に発酵させている飲み物で、有名なものに「プーアール茶」があります。後発酵茶はこれまでの酸化発酵ではなく、人工的に菌をつけて茶葉を発酵させたもの。数か少なくあまり見かけないのが特徴的です。日本では「碁石茶」と呼ばれる四角い形をした後発酵茶があります。
碁石茶は中国雲南省に住む「少数民族の布郎(プーラン)族」が作っていた酸化茶にルーツを持つため、後発酵茶は中国発祥と捉えることもできそうですね。
緑茶もウーロン茶も紅茶も「茶葉は同じ」!味や香りの違いは「発酵の有無」だった
緑茶もウーロン茶も紅茶も、元々は同じ「茶の木」から採取された茶葉です。
それが発酵具合によってそれぞれの特性を持ち、私たちのティータイムに欠かせないアイテムになっていると思うと感慨深いですよね。
紅茶を飲むときだけではなく選ぶときも、発酵について考えてみると面白いかもしれません。
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