紅茶に合うお菓子は世界中にあります。その中でもイギリス、フランス、ドイツ、北欧で親しまれている、とびきり美味しいスイーツをご紹介します。
第8回目は、新年のお祝いに欠かせないお菓子「ガレット・デ・ロワ」。焼き色が美しいパイ生地の表面には、繊細な飾り模様が施されているのが特徴です。
最近では日本でも知られてきて、家族や仲間が集まる新年のパーティーでガレット・デ・ロワを楽しむ方も多いのではないのでしょうか?
今回はそんなガレット・デ・ロワをご自宅で手軽に作れるよう、簡単レシピをご紹介します。
ガレット・デ・ロワの歴史や楽しみ方なども合わせてご紹介しますので、ぜひ皆さんで楽しんでくださいね。
Contents
ガレット・デ・ロワとは?
ガレット・デ・ロワはフランス語で「王様の菓子」という意味で、1月6日の公現祭の日に食べる伝統的なフランス菓子です。
公現祭とは、キリストの公現(顕現)を祝うお祭りのことで、幼子であったイエスを東方の三賢者が訪問、礼拝しキリストの誕生をお祝いしたとされています。
キリストの誕生日は12月25日ですが、公に現れた日がこの1月6日(公現祭)というわけです。
フランスではこの日にガレット・デ・ロワを食べてお祝いする伝統がありますが、地域によってはリング状のブリオッシュ(ブリオッシュ・デ・ロワ)を食べることもあります。
また、現在は1月6日に限らず、1月の間中ガレット・デ・ロワを楽しむ習慣も広まり、家族や友人が集まる新年には欠かせない存在のお菓子となっています。
ガレット・デ・ロワの楽しみ方
ガレット・デ・ロワはパイ生地の中に、アーモンドクリームとカスタードクリームを合わせたものを詰めて焼き上げます。
シンプルな材料で作られた焼き菓子ですが、クリームの中に「フェーブ」と呼ばれる陶器製の人形を入れて焼くのが特徴。
ガレット・デ・ロワは人数分に切り分け、集まった人の中で最も若い人がテーブルに隠れて、どのお皿を誰に配るか指示するとうルールがあります。
そして自分のガレット・デ・ロワの中にこのフェーブが入っていると、王様(女王様)になることができ、王冠をかぶってみんなから祝福されます。
ちなみにフェーブは元々そら豆を入れて作られていましたが、1870年頃から陶器の人形が使われるようになりました。
お店によってはプラスティック製の人形やコインを入れたりと様々ですが、誤飲を防ぐためフェーブをアーモンドやくるみなどで代用するところも多くなっています。
世界にはフォヴォフィルと呼ばれるフェーブコレクターも多く、フェーブはガレット・デ・ロワにとって非常に神聖な象徴として大切にされています
ガレット・デ・ロワ模様の意味
ガレット・デ・ロワの特徴のひとつである表面の飾り模様ですが、それぞれに意味をもっています。代表的なものをご紹介しますので、ぜひ選ぶ時の参考にしてみてください。
▶太陽(渦巻き模様)
「生命力」を意味する、中心から外側に向けて曲線で作られた模様。この模様はお菓子屋さんのガレット・デ・ロワでよく見かけ、同感覚に引かれた曲線が美しく印象的です。
▶月桂樹(葉っぱ模様)
「勝利」を意味する、葉っぱをデザインした飾り模様。複雑な模様で非常に手間がかかるため、職人の力量が問われる模様でもあります。
▶ひまわり(格子模様)
「栄光」を意味する、格子状の模様。格子のデザインがひまわりの種の部分を表現しています。シンプルなデザインなので、手作りにはこの模様が一番描きやすいです。
▶麦の穂(矢羽模様)
「豊穣」を意味する、矢羽状の模様。ひまわり同様、こちらも比較的簡単に描ける模様のひとつです。切り込みをいれる包丁は小ぶりのぺティナイフを使うと、上手く切ることができ、焼き上がりも美しくなります。
冷凍パイシートで簡単!自宅でガレット・デ・ロワ:レシピ
今回は市販の冷凍パイシートを使って、簡単ガレット・デ・ロワに挑戦です。
中に詰めるアーモンドクリームは、カスタードクリームと合わせた「フランジパーヌ」を使って本格的に。
親しい友人や大切な家族と囲む新年の集まりには、今年はガレット・デ・ロワでお祝いしましょう!
直径18㎝1台分
- 冷凍パイシート/2枚
- 全卵溶き卵(塗り卵用)/適宜
- フェーブ(またはアーモンドなど)/1個
- 粉糖(焼き上げ用)/適宜
<アーモンドクリーム>
- 無塩バター/25g
- 砂糖/25g
- 全卵/25g(約1/2個分)
- アーモンドパウダー/30g
- 薄力粉/10g
- ラム酒/小さじ1
<カスタードクリーム>
- 卵黄/1個
- 砂糖/20g
- 薄力粉/10g
- 牛乳/100㏄
<電子レンジでカスタードクリームを作る>
- 耐熱容器に卵黄を入れ、砂糖を加えて泡立て器でよく混ぜる。薄力粉をふるいながら加え、さらに混ぜ合わせる。牛乳を加えて全体をしっかり混ぜる。
- 600wの電子レンジに入れて1分加熱し、取り出してよく混ぜ合わせる。さらに30秒加熱し、取り出して混ぜ合わせる。もったりしてきたら完成。カスタードクリームをバットなどに移してラップをする。冷蔵庫に入れてしっかり冷やしておく。
<アーモンドクリームを作る>
- ボウルに無塩バターを入れ柔らかくする。砂糖を加え泡立て器でしっかり混ぜ合わせる。卵を2回に分けて加え、その都度よく混ぜる。アーモンドパウダーと薄力粉を加えて粉気がなくなるまでしっかり混ぜ、ラム酒を加えたら完成。
<クリーム2種を合わせてフランジパーヌを作る>
- 冷えたカスタードクリームとアーモンドクリームを合わせて、フランジパーヌの出来上がり。
<ガレット・デ・ロワの組み立て>
- 冷凍パイシートを1枚取り出し、直径18㎝のケーキ型の底の部分をのせる。ナイフやパイカッターで型通りに丸く切り抜く。もう一枚のパイシートも同様に切り抜く。
- フランジパーヌを絞り袋に入れて、パイシートの中心から渦を描くように絞り出す。中心だけ2段に絞り高さを出す。絞り終えたら表面が均一になるようにゴムベラ等で整える。
- 中心以外の部分にフェーブ(またはアーモンドなど)を埋め込み、生地が重なる部分に溶き卵を塗ってもう一枚のパーシートをかぶせる。上から軽く押さえ、重なった部分をしっかりと指で押さえる。中心に竹串などで小さな穴を開けて空気を抜く。パイの表面に溶き卵を塗り、冷凍庫で20分ほど休ませる。
- 冷凍庫から取り出し、もう一度溶き卵を塗る。ナイフで表面に好みの模様を描いて、200℃に予熱したオーブンで5分程焼成する。一度取り出し、表面に粉糖をかけさらに10分ほど焼成する。表面にしっかりと焼き色がついたら出来上がり。(焼き色が付かない場合は220℃にあげて様子を見ながら焼く)
- 直径18㎝のケーキ型の底がない場合は、同じサイズのお皿や鍋の蓋等でも代用できます。
- 上下のパイシートの止めが甘いと、焼いているうちに中身が出てしまうことがあるので、しっかりと指で押さえます。(フォークの背で押しても)
- 表面の模様をきれいに描くためには、事前に冷凍庫でしっかりと冷やすことが大切です。組み立て後の柔らかい状態のパイシートは、必ず一度冷凍庫に入れましょう。
- フェーブは製菓材料店やネットで購入可能です。アーモンドやクルミなどのナッツでもOKです。
ガレット・デ・ロワと一緒に飲みたいおすすめ紅茶3選
美味しいガレット・デ・ロワが焼けたら、早速ティータイムの準備です。濃厚なアーモンドクリームとバターが香るサクサクのパイに合うおすすめの紅茶をご紹介します。
セカンドフラッシュ夏摘み紅茶
linkteaのセカンドフラッシュは、渋みが少なく芳醇な香りと甘さが特徴です。新鮮な茶葉の青々しさが感じられ、すっきりとした後味はガレット・デ・ロワのようなパイ菓子とも相性抜群。お菓子の甘さをバランス良く味わえます。
ストロベリーティー
linkteaのフレーバーティーは、紅茶本来の味わいを邪魔しない優しいブレンドが特徴。こちらのストロベリーティーも甘いいちごの香りがふわっと香り、シンプルなお菓子ともぴったりです。ローズヒップとハイビスカスの酸味も加わり、華やかなティータイムが楽しめます。
ウバ
ガレット・デ・ロワはシンプルなお菓子ですが、バターや砂糖、アーモンドなど濃厚な材料を使うため食べごたえがあります。油分を多く含んでいるお菓子をさっぱり食べたい時は、爽快な渋みとメンソール香のあるウバがおすすめです。ストレートもしくはミルクティーで召し上がれ。
幸運を運ぶ伝統菓子で新年をスタートしましょう
キリストの公現を祝うお菓子「ガレット・デ・ロワ」。ヨーロッパでは古くから続く伝統的なお祭りですが、日本でも年々そのイベントが広まっていますね。
お菓子屋さんやパン屋さんなどでも見かけるようになり、ガレット・デ・ロワの仕上げの美しさや出来が職人の力量を計る目安にもなっているそうです。
新年は親しい人や大切な方と会う機会が多い月。手作りのガレット・デ・ロワをお土産にして、楽しい時間を囲むのも素敵ですね。ぜひ新年のスタートにフランスの伝統菓子にチャレンジしてみてください。
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