紅茶に合うお菓子は世界中にあります。その中でもイギリス、フランス、ドイツ、北欧で親しまれている、とびきり美味しいスイーツをご紹介します。
第4回目は、日本でも大人気のフランス伝統菓子「マカロン」です。
コロンとしたフォルムに色とりどりの色彩が美しいマカロンは、その見た目の可愛さと、クリームやジャムなどサンドする素材で変わる美味しさが魅力です。
そんなマカロンについて、今回は詳しくご紹介したいと思います。マカロンに合うおすすめ紅茶や自宅で作れる本格マカロンレシピもぜひご覧くださいね。
Contents
マカロンてどんなお菓子?
マカロンは卵白と砂糖、アーモンドパウダーを使った焼き菓子の一種です。生地を直径3㎝くらいの円盤形に焼き上げ、間にジャムやクリームを挟んで仕上げます。
一般的にマカロンというと上記の形状のものを思い浮かべると思いますが、正式名称は「マカロン・ムー」と呼ばれ、フランス語で「柔らかい(ムー)マカロン」という意味になります。
その他にもマカロン・パリジャンやマカロン・リスなど色々な呼び名がありますが、日本では「マカロン=丸くてジャムやクリームをサンドしたカラフルな焼き菓子」というイメージが定着していますよね。
ちなみに、マカロンの特徴でもある縁のフリルは「ピエ」と呼ばれ、焼成中に生地が膨張することによって生まれるもので上手にマカロンを作れた目安にもなります。
食紅や香料でカラフルに彩られたもの、チョコレート、ローズ、ピスタチオなどバリエーションも豊富で、近年では黒ゴマやきなこなど和素材を使った和風マカロンも海外で注目されています。
マカロンの歴史
マカロン・ムーが作られたのは1930年、パリにあるパティスリー「ラデュレ」が始まりといわれています。
経営者ピエール・デフォンテーヌは、2枚のマカロン生地にジャムやクリームをはさんで売り出したところ、それが大評判となりました。今でもマカロン=ラデュレというイメージがあるほど人気が絶えない有名店ですよね。
さて、フランス菓子の代表ともいえるマカロンですが、起源をたどってみるとイタリアのアマレッティというお菓子が原形といわれている説もあります。
アマレッティはピエモンテ州の伝統菓子で、その歴史は古くローマ時代から作られていたといわれています。
16世紀頃にイタリアからきた菓子職人がアマレッティの作り方をフランス人に教え、後に修道院を通じてフランス全土に「マカロン」として広がったそうです。
実際は本当か分かりませんが、実はマカロンはイタリア発祥のお菓子なのかもしれませんね。
意外と知らないフランスのマカロン色々
マカロンと一言でいっても、フランスには地域によって様々なマカロンが存在します。
ロレーヌ地方では表面がひび割れて平らな形の「マカロン・ナンシー」、アキテーヌ地方では甘口のワインを練り込んだ「マカロン・サンテミリオン」などがあります。
特に美味しくておすすめなのが、ピカルディ地方の「マカロン・ダミアン」!生地にはちみつや卵黄が入っていてねっとりとした味わいが特徴です。
見た目はどれも私たちがイメージするマカロンとは違い、素朴でシンプルな味わいの焼き菓子です。
日本ではあまり見かけることはありませんが、もし見つけたらぜひ一度試してみてくださいね。
自宅で本格フランス菓子に挑戦!マカロン・ムー:レシピ
ピエの出た美しいマカロンを作るには、独特の混ぜ方「マカロナージュ」と「乾燥」が絶対ポイント!自宅でもお店のようなマカロンを焼きたいならぜひ習得しましょう。
[フランボワーズマカロン約20個分]
- 卵白/70g
- グラニュー糖/65g
- アーモンドパウダー/80g
- 純粉糖/80g
- 食紅/少々
- ラズベリージャム/適宜
- アーモンドパウダーと純粉糖を合わせてふるっておく。
- 清潔なボウルに卵白を入れ、グラニュー糖を少しずつ加えながらハンドミキサーでしっかり泡立ててきめ細やかなメレンゲを作る。
- ボウルにふるった粉類を再度ふるいながら加え、ゴムベラでさっくりと混ぜ合わせる。食紅を少々加え、好みのピンク色にする。
- 【マカロナージュ】ボウルの底から生地をすくい上げ、中央に重ねては表面をならし混ぜ合わせる。これを何度か繰り返すと、だんだん生地にムラがなくなり滑らかな状態になってくる。だんだんとつやが出てきてトロトロになったら、ゴムベラで生地をすくって垂らして確認する。生地が細くなってもつながって、リボンのようにゆっくり流れていく状態がベスト。(落ちた生地は積み重なって、しばらくすると跡が消えていく位の固さ)生地がボタボタと途切れるようなら、マカロナージュが足りていないので先程の工程を何度が繰り返す。
- 丸口金をつけた絞り袋に生地をいれて、オーブンシートを敷いた天板の上に3㎝位の大きさに絞っていく。(同じ大きさに絞るのが難しい場合は、オーブンシートの下に3㎝の円を描いた紙を敷いておくと絞りやすい)
- 【乾燥】絞り終えたら生地の表面が乾燥するまで30~60分ほど放置する。湿度や混ぜ方によって時間は変わるので、直接生地にふれてみて見極める。表面を指で触った時に生地がついてこず、やや固さを感じるくらいが乾燥完了の目安。このとき表面には薄い膜が出来ていて、若干光沢がある。乾燥が足りないとピエがでなかったり割れたりするので、慌てずしっかり乾燥させましょう。
- 200℃に予熱したオーブンにいれ、3分ほどたつと生地の周りが持ちあがりピエが出てくる。ピエがでたら一度オーブンの扉を開けて庫内の温度を下げる。温度を150℃に下げて、10~15分ほど焼成する。オーブンから出したら天板にのせたまま冷ます。すぐにオーブンシートからはがすと中身が外れてしまうので触らないようにしましょう。
- 完全に冷めたら生地を外し、ラズベリージャムを間に絞ってサンドする。
- 卵白は新鮮なものよりも少し古いサラサラの状態のモノを使うのがよい。すぐに使いたい場合は卵白を冷凍して解凍するとサラサラの状態になる。
- 粉糖はコーンスターチなどが入っていない純粉糖を使うこと。
- マカロナージュはやりすぎると元に戻せないので、慣れるまで生地の状態を確認しながら少しずつ行っていきましょう。何度か焼くうちにコツがつかめると思います。
- 焼成中に表面が焦げそうになったらアルミホイルをかぶせて焼き過ぎを防ぎましょう。
- サンドする中身はお好みのものを使ってアレンジしてください。
- チョコレート生地や抹茶生地を作りたい時は、アーモンドパウダーを75gにして、ココアパウダーを5gもしくは抹茶5gをたしてください。
マカロンに合うおすすめ紅茶3選
ティーインストラクターの私がおすすめする、マカロンに合う紅茶3選をご紹介します。色々な紅茶を試して好みのマリアージュを楽しんでくださいね。
セカンドフラッシュ
リンクティーのセカンドフラッシュは、しっかりしたコクとすっきりした味わいが特徴の夏摘みネパール紅茶です。
新鮮な青々しい茶葉の香りがふわっと広がり、甘いマカロンとのバランスも良くおすすめのマリアージュ。
フランボワーズやマンゴーなどフルーツを使ったマカロンが特におすすめです。
ウバ
爽快な渋みとキレのある味わいが特徴のストロングセイロンティー。砂糖やアーモンドをたっぷり使ったマカロンの甘さをすっきりさせたいならウバがおすすめです。
そのままストレートティーでも美味しいですが、ミルクを加えてコクのあるミルクティーにしても良く合います。
チョコレートやキャラメルなど濃厚な味わいのマカロンにぴったりです。
ディンブラ
紅茶選びに迷ったらディンブラを選べば間違いないというくらい、どんな食べ物とも相性が良い紅茶です。
適度な渋みと紅茶らしい香りがあり、マカロンの美味しさをより一層引き立ててくれます。
どんなマカロンフレーバーにも合うので、おもてなしの時にはピッタリですね。ホットはもちろんアイスティーでもおすすめです。
マカロンはプレゼントにも最適!
マカロンは紅茶との相性もぴったりで、女性へのプレゼントにも人気のフランス菓子です。
本格的で上級者向けのお菓子ですが、材料も少なくてそろえやすいので、ぜひ手作りにチャレンジしてみてください。
マカロンを上手に作るポイントは、生地の混ぜ方と乾燥の状態を見極めることです。作る際にはレシピのポイントを参照してくださいね。
もし、失敗してしまっても低温のオーブンにいれてしっかり乾燥させれば「マカロンラスク」になりますよ。
こちらも紅茶のお供にぴったりで、とっても美味しいのでぜひ試してみてくださいね。
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