紅茶に合うお菓子は世界中にあります。その中でもイギリス、フランス、ドイツ、北欧で親しまれている、とびきり美味しいスイーツをご紹介します。
第12回目は、イギリスのティータイムに欠かせない人気菓子「シードケーキ」。その名の通りタネを生地に加えて焼き上げた、古くから伝わるしっとり食感のバターケーキです。
シードの甘くほろ苦い独特の風味は、イギリスのお菓子らしい素朴な美味しさ。紅茶と一緒に食べるとより一層おいしさが引き立ちます。
Contents
シードケーキってどんなお菓子?
ポピーシードやパンプキンシードなど、タネを使ったレシピは世界中に色々ありますが、イギリスのシードケーキに使われるのは「キャラウェイシード」と呼ばれるスパイスです。
日本ではあまり馴染みがないですが、イギリスでは定番スパイスのひとつで、お菓子の他にも料理やパンなど色々なものに使われています。
甘くスパイシーな香りで、噛むとメンソールのような爽やかな風味とほろ苦さが口の中に広がります。この独特の味がバターをたっぷり使ったお菓子と非常によく合います。
基本材料はバター、砂糖、卵、小麦粉。作り方はパウンドケーキと同じで、泡立てたバターに次々と材料を混ぜ合わせていくだけ。イギリスの家庭で愛される定番レシピです。
シードケーキの歴史
シードケーキの歴史は古く、文献にはじめてその名が登場したのは1570年といわれています。
タネは命や豊穣を表すとして、当時は春の種まきが終わった後や秋の収穫のお祭りを祝うケーキとして焼かれていたようです。
19世紀頃には日常的に食べられるようになり、イーストを使ったパンのようなものやフレーバーウォーターを加えた香り豊かなものなど、色々なバリエーションのシードケーキが登場しました。
上流階級から庶民まで幅広く愛されたシードケーキは、イギリスの伝統菓子の中でも特別な存在です。
ファンタジー小説「ホビットの冒険」や、アガサ・クリスティーの小説などの物語の中にも登場しているので、名前を目にした方も多いかも知れませんね。
イギリスの定番スパイス“キャラウェイシード”の使い方
ヨーロッパでは定番スパイスのキャラウェイシードですが、日本ではあまりなじみのない味わいのため、シードケーキ以外の用途に迷う方もいらっしゃると思います。
そこで、おすすめの使い方をご紹介!お料理やお菓子作りにぜひ活用してくださいね。
ザワークラウト
ザワークラウトはキャベツを千切りにして、容器の中で自然発酵させて作るドイツの有名な漬物料理です。
味付けに塩とキャラウェイシードを使うのが特徴で、そのままサラダのように食べたり、ソーセージなどの肉料理のつけ合わせに食べられることが多いです。
酸味の効いた爽やかな味わいとキャベツの食感が楽しく、保存食にも最適です。
サラダやスープの風味づけ
キャロットラペや野菜スープなど、いつもの料理にキャラウェイシードをひとつまみ加えると、風味豊かな味わいに仕上がります。
定番レシピに変化をつけたい時も、手軽に試せるのでおすすめです。ドレッシングに加えるのもいいですね。
スコーン/ショートブレッド
キャラウェイシードは色々なお菓子作りに使える万能スパイス。スコーンやショートブレッドなどシンプルな味に加えると、個性的でトラディショナルな味わいになります。
プチプチとしたシードの食感もプラスされ、スパイシーな風味が食欲をそそります。
紅茶やハーブティーに
キャラウェイシードには消化の促進作用があり、食後の一杯にも最適です。
単体でハーブティーとして淹れてもいいですが、お気に入りの紅茶にひとつまみ加えて、風味を楽しむのもおすすめ。
ミルクとの相性も良いので、ミルクティーやチャイにもぴったりです。
英国ティータイムを楽しむシードケーキ:レシピ
バターのコクとしっとりした食感の生地にキャラウェイシードが香るイギリス伝統菓子。古くから受け継がれるレシピを簡単にアレンジしました。
ちょっとクセのある風味とプチプチ食感がたまらない、紅茶好きならぜひ作ってみてほしいケーキです。
材料
[15㎝丸型1台分]
- 無塩バター/100g
- 三温糖/100g
- 塩/1.5g
- 卵/2個(約110g)
- 薄力粉/110g
- アーモンドパウダー/30g
- ベーキングパウダー/4g
- キャラウェイシード/6g
- 牛乳/15㏄
<アイシング>
- 粉糖/30g
- 水/小さじ2~
- 飾り用キャラウェイシード/少々
作り方
- 無塩バターと卵を常温に戻しておく。ボウルに無塩バターを入れゴムベラで柔らかくしておく。三温糖を加え、ハンドミキサーで白っぽくなるまで攪拌する。
- 卵を割りほぐし、①のボウルに少しずつ(大さじ1くらい)加えてその都度混ぜる。しっかり生地が乳化したら、また次の卵を少量ずつ加えていく。
- アーモンドパウダー、薄力粉、ベーキングパウダーを合わせて、ふるいながら加える。塩を加え、ゴムベラで切るように生地を混ぜていく。粉気が少なくなったらキャラウェイシードと牛乳を加え、生地に艶がでるまでボウルの底をすくうように混ぜ合わせる。
- クッキングシートを敷いたケーキ型に流し、表面を平らにして170℃に予熱したオーブンで35〜40分程焼成する。
- 竹串をさして生地が付かなければ焼き上がり。オーブンから取り出し、10㎝ほど高い位置から一度落として生地内の蒸気を抜く。ケーキクーラーにのせて型を外し、冷ます。
- アイシングを作る。小さな容器に粉糖を入れ、水を少量ずつ加えていく。とろっとした状態になったら冷めたケーキの上に斜めにかけて、固まらないうちにキャラウェイシードをちらす。
- 卵が冷たいと生地が分離してしまうので、必ず作る1時間前に常温に出しておくこと。冷たい卵を使う場合は、湯煎にかけて少し温めると良い。
- 出来上がりの生地が分離すると、食感が硬くなったり生地が油っぽくなってしまうので、しっかり乳化した状態で粉類を入れましょう。もし分離してしまったら、分量内の粉を少量加えて混ぜると乳化しやすくなります。
- オレンジコンフィやドライフルーツを加えてアレンジしても美味しいです。その場合はキャラウェイシードを加えるタイミングで生地に混ぜてください。
- このケーキはブラウンシュガーや三温糖など、コクのある砂糖を使うのがおすすめです。ない場合はグラニュー糖や上白糖で代用してください。
シードケーキに合うおすすめ紅茶
しっとりとしたバターケーキには紅茶がぴったり。シードケーキもぜひお好きな紅茶と一緒に楽しんで頂きたいのですが、特におすすめなのがミルクティーです。
シードケーキのちょっとスパイシーな味わいが、まろやかなミルクティーと非常に良く合い、至福のマリアージュが楽しめます。
イギリスでは紅茶にミルクを入れて飲むことが多いですが、お菓子との組み合わせも良いからかも知れませんね。
茶葉によっても味わいや風味が違うので、気分によって選んでみてください。
おうちで伝統イギリス菓子を焼こう!
古くからあるイギリス菓子の中でも、シードケーキは英国らしいトラディショナルな味わいの焼き菓子です。
ちょっとクセのある風味なので好みが分かれるかもしれませんが、ぜひ一度は試してみてほしいイギリスの味です。
焼き立てよりも翌日の方が生地もしっとり落ち着いて美味しいので、週末のティータイムなどにゆっくり味わってみてください。パウンド型で焼いてプレゼントにもおすすめです。
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