紅茶に合うお菓子は世界中にあります。その中でもイギリス、フランス、ドイツ、北欧で親しまれている、とびきり美味しいスイーツをご紹介します。
第1回目は、イギリスのティータイムに絶対欠かせないお菓子「ヴィクトリア・サンドイッチケーキ」。
バタースポンジ生地にジャムを挟んだ、なんともシンプルなお菓子ですが、ひと口食べたら虜になってしまう美味しさです。
英国人が愛する紅茶のお供「ヴィクトリア・サンドイッチケーキ」について、歴史と併せてレシピをご紹介致します。
Contents
ヴィクトリア・サンドイッチケーキってどんなもの?
ヴィクトリア・サンドイッチケーキという名前ですが、食パンを使ったケーキではありません。
バターをたっぷり使ったいわゆるパウンド生地を丸い型で焼いて、間にイチゴジャム(イチゴの季節以外はラズベリージャム)を挟んだとってもシンプルな焼き菓子です。
フランス菓子のように見た目が華やかでもなく、特別な材料を使ったものでもありませんが、その素朴な味わいこそが紅茶にぴったりといえます。
間に挟むジャムは季節の瑞々しい果物を使って作る自家製で、基本的にはイチゴかラズベリーのジャムを挟みます。
イギリス人にとってヴィクトリア・サンドイッチケーキは、幼い頃から親しんだ母の味であり、お祭りの時の祝い菓子であり、日々のティータイムに欠かせない焼き菓子でもある人生にとってきってもきれない存在です。
幼いころの想い出につながる特別なケーキ、日本でいったらいちごのショートケーキの様な感じでしょうか。
ヴィクトリア・サンドイッチケーキの歴史
ヴィクトリア・サンドイッチケーキが誕生したのは今からおよそ150年前。名前にもつけられているヴィクトリア女王の時代です。
1861年に最愛の夫であるアルバート公が死去し、悲しみのあまり塞ぎこんでしまったヴィクトリア女王を元気づけるため、度々ティーパーティーが開かれました。
その時に、女王のために作られたケーキが「ヴィクトリア・サンドイッチケーキ」といわれています。女王はこのケーキをとても気に入り、自分の名前をつけることを許可しました。
シンプルだからこそ紅茶の美味しさとマッチするヴィクトリア・サンドイッチケーキは、その後のイギリスティータイムに欠かすことのできない、まさに女王的存在になっています。
本場イギリスのケーキは変わった作り方?
ヴィクトリア・サンドイッチケーキに限らず、イギリスではクリームやジャムなどをサンドする2段のケーキを作るときは、1つの焼き型ではなく薄い型を2枚用意して生地を焼きます。
サンドイッチティンやサンドティンと呼ばれるこの型は、1台で焼くよりも焼成時間が短く冷めるのも早い、そしてスライスする手間がないといいことづくめ。
海外の家庭用オーブンは日本のものより大きいため、同時に2台焼けるということもありますが、合理的主義なイギリス人らしい作り方ですね。
生地を一台で焼いてスライスする方法、薄い生地を2枚焼いてジャムを挟む方法、どちらが好みか作り比べてみたくなりますね。
英国式ヴィクトリア・サンドイッチケーキ:レシピ
本場のヴィクトリアン・サンドイッチケーキは2台の型で焼きますが、オーブンの大きさの事情もありますので、今回は1台の型で焼いてスライスする作り方をご紹介します。
中に挟むジャムはぜひ手作りにチャレンジしましょう。市販のものよりもフレッシュで、贅沢な味わいに仕上がります。
女王が愛した味“ヴィクトリア・サンドイッチケーキ”
[直径15㎝丸型]
- 無塩バター/100g
- グラニュー糖/100g
- 全卵/2個
- 薄力粉/100g
- ベーキングパウダー/4g
- バニラオイル/あれば適宜
- 仕上げ用粉糖/適宜
<自家製イチゴジャム/作りやすい分量>
- 小粒いちご/300g
- グラニュー糖/150g
- レモン汁/大さじ1
- 丸型にクッキングシートを敷いておく。無塩バターは室温に戻しておく。薄力粉とベーキングパウダーは合わせてふるっておく。
- ボウルに無塩バターを入れゴムベラで滑らかにする。グラニュー糖を加え、泡立て器でよくすり混ぜる。
- よく溶きほぐした卵を少しずつ加え、その都度よく混ぜ合わせる。バニラオイルを2~3滴加える。
- ふるった粉類を加え、ゴムベラで粉気がなくなるまで切るように混ぜ合わせる。
- 用意したケーキ型に生地を敷いて、表面を平らにならす。(パウンドケーキのような固い生地です)
- 170℃に予熱したオーブンで40分ほど焼成する。竹串を真ん中にさして、生地がついてこなければ焼き上がり。型から外し、ケーキクーラーにのせて冷ます。
- 冷めた生地を半分にスライスし、カット面にジャムをたっぷりとのせて広げる。もう一方の生地を重ね、上に粉糖をふるいかけて出来上がり。
<自家製イチゴジャム>
- いちごのへたをとり水でよく洗う。ザルに上げて水気をしっかり取る。
- 鍋にいちごを入れて、グラニュー糖とレモン汁を加える。いちご全体に混ざるようにしっかりまぶす。そのまま1時間位置いておく。
- 浸透圧でいちごから水がでてきたら、鍋を火にかけ始める。強めの中火にかけ、木べらでいちごをたたきつぶすようにしながら沸騰させる。(種の中のペクチンを潰して出すことで早くとろみがつき、色鮮やかになる)アクが出てきたらすくって取り、とろみがつくまで30分くらい煮詰める。
- イギリス流のバターケーキは空気を含ませずどっしりした食感が特徴です。そのため電動ミキサーは使わず、ゴムベラか泡立て器を使用しましょう。
- 型を2台使って焼きたい場合は、生地を半量ずつ型に敷いて焼成時間を20分くらいにします。
- ジャムに使ういちごは小粒のものがおすすめです。
- ジャムを保存する場合は、炊きあがった熱い状態のジャムを煮沸消毒した瓶に詰めて、蓋をしてひっくり返しさます。さめたら冷蔵庫で保存しましょう。
正統派のヴィクトリア・スポンジケーキはイチゴジャムかラズベリージャムを挟みますが、最近では生クリームやバタークリーム、レモンカードなどをサンドしたアレンジも増えています。
季節のフルーツで作ったジャムを挟めば、一年中違った美味しさのヴィクトリア・サンドイッチケーキを楽しめますね。
紅茶と共に自宅で本格イギリス菓子を
イギリスといえば豪華なアフタヌーンティーが有名ですが、実はヴィクトリア・サンドイッチケーキのような素朴でシンプルな焼き菓子が紅茶には一番人気があります。
バター生地の濃厚なコクと砂糖の甘さ、ジャムの甘酸っぱさが美味しい、イギリスを代表するヴィクトリア・サンドイッチケーキをぜひご自宅でも作ってみてくださいね。
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